◇女子メジャー第1戦◇シェブロン選手権◇ザ・クラブatカールトンウッズ(テキサス州)◇6911yd(パー72)西郷真央…
◇女子メジャー第1戦◇シェブロン選手権◇ザ・クラブatカールトンウッズ(テキサス州)◇6911yd(パー72)
西郷真央が待望の米女子ツアー初勝利を、日本人史上5人目の女子メジャー制覇で飾った。最終日に通算9アンダーの首位からスタートして「74」。7アンダーの首位で並んだ空前の5人のプレーオフに突入し、1ホール目でただ一人バーディを奪って優勝。19ホールに及んだ日曜日の激闘をGDOのインタビューで振り返った。最終回(第3回)は正規の72ホール目と、プレーオフで使用された最終18番(パー5)の心境を自らの言葉で紐解く。(聞き手/桂川洋一)
西郷真央メジャーV インタビュー(1)「残り9ホール…から体が固く」
西郷真央メジャーV インタビュー(2)「もう立ち直れなかったかもしれない」
■メジャー制覇へ望みをつないだ「100点」のパーパット
―17番(パー3)でパーを拾い、首位グループと1打差で18番(パー5)に入った
18番は結構なアゲンストの風が吹いていました。1Wショットはちょっと当たりが薄く、(打った直後は)『2オンできるかな…?』とキャディと話していたんです。でも、思ったよりも飛んでくれて残りは213yd。私は7Wで打とうと思ったのですが、キャディが『(他の選手たちと同じように)奥のギャラリースタンドの近くまで飛ばして、無罰で救済を受けるのが良い』とアドバイスしてくれて、(さらに飛距離が出る)3Wを握りました。
2打目は想像以上に飛んで、ボールが止まったところ、救済を受けた場所もラッキーでした。ドロップしたボールが(傾斜でホールに向かって)転がってしまい、最終的に球をプレースできた。しかもセミラフのような場所で、ちょっとだけボールが浮いている。アマチュアが打ちやすそうなライ? いやいや、私だって打ちやすいです(笑)。
―直前にはユ・ヘランが2打目でスタンドに打ち込み、同じように無罰で救済を受けてチップインイーグル
彼女が救済を受けるルーリングの時間が結構長く、イーグルを決めた後の歓声もなかなか止まりませんでした。自分としては早く打ちたい気持ちもありましたけど、ユ・ヘラン選手のボールがカップまで転がって行くのを見て、グリーンのスピード感を把握できたのが良かった。それでも、私のアプローチ(3打目)は3mオーバー。狙い通り、上りのパットを残しつつ「プラス1m、行ってしまった」という感じでした。
―その3mのバーディパットを沈めてプレーオフへ
3mのスライスラインは上りでしたが、カップ1つ半くらい(左に)外して打ちました。一日を通して、パットでショートする場面が多かっただけに、打ち切る勇気が必要でした。しっかりと打ち切れたので自分の中ではもう100点。
―決まった瞬間はタイガー・ウッズばりのガッツポーズ
本当にあんな(鬼の形相の)写真、使わないで欲しいです…。
■長期戦を覚悟した5人プレーオフ
―キム・ヒョージュ、イン・ルオニン、アリヤ・ジュタヌガン、リンディ・ダンカンとの5人によるプレーオフ。再び18番ティに向かうときの心境は
5人1組で回るので、打つまでの待ち時間が長いんだろうな、絶対に1ホールでは終わらない、何ホールで決着がつくんだろうと思いました。
―プレーオフの1Wショットは再びフェアウェイへ
正規の18番よりも良いショットでした。結果的にはプレーオフの方が1yd遠くに飛んだだけなんですけど。実は(5人中)4番目に打てたのもラッキー。18番ティのフェンスの向こうの民家で、子どもたちが“鬼ごっこ”をしながら走っている声が聞こえたんです。でも、ヒョージュ選手も、ルオニン選手も気にせずに打っていった。ただ、3番目のアリヤ選手が打つ前に、ボランティアの方が静かにさせてくださった。相手は子どもたちですし、本来はコースの敷地外ですから、「静かにしてほしい」とは皆が言いにくいところ。私にとってはありがたかった。
―2打目の残り距離は212yd
正規の18番では3Wでしたが、先に打ったルオニン選手が2オンに成功したので、私も狙うしかなくなって、7Wで距離を合わせ、あわよくばイーグルチャンスを作ろうと考えた。最悪、グリーン手前のバンカーでもOK。(実際に打つと)やっぱりアドレナリンが出てきたのか、3Wと同じくらい飛距離が出て、正規の18番の2打目とほぼ同じエリアまで飛びました。
■ライバルのパットが次々と外れ「もしかしたら…」
―3打目のアプローチを1mに寄せてバーディチャンス。他の4人のパットが次々と外れて優勝のチャンスが転がり込んだ
1ホール目で5人のうち何人かは脱落するだろうとは思っていました。でも、ルオニン選手が5mのイーグルパットを外して、2m以上オーバーしたとき、ちょっと焦った表情をしたように見えたんです。「もしかしたら、1ホール目で決まるかもしれない」と感じました。
パットをする前、皆はそれぞれ自分の番をその場で待っているような感じで、私だけずっとラインを確かめるために動き回っていた。「みんな余裕だな…準備ができているのかな」と思いつつ、私は心配で仕方がなかった。カップの向こうから見たらラインが違うかもしれない。全方向から読んで、ラインを決めきって打ちたかった。
とにかく、すっごい緊張でした。今までにないレベルの緊張感。足も手もプルプル震えていた。
入った瞬間、実はパットが決まったこと自体に『よしっ!』という気持ちになって、ボールを拾い上げた時にようやく『あ! 優勝だ!』と遅れて気づいたというか…。最後の1mを決めることに集中しすぎて、喜びはなんだか“2段階”でした。正規の18番のバーディパット、そして最後のプレーオフのバーディはもう、一生忘れません。(おわり)