◇LIVゴルフリーグ◇コリア 2日目(3日)◇ジャック・ニクラスGC (韓国)◇7354yd(パー72)LIVゴルフリ…

韓国でも盛況のLIVゴルフ。4年目の現在地は(Mateo Villalba/LIV Golf)

◇LIVゴルフリーグ◇コリア 2日目(3日)◇ジャック・ニクラスGC (韓国)◇7354yd(パー72)

LIVゴルフリーグはことしで4年目を迎えた。1、2年目の頃にあったような大物の電撃移籍はなく、むしろ名前を聞いたことのないような若手の新規メンバー加入が目立つ。PGAツアーとの話し合いは平行線をたどったままだ。一方で「全米オープン」や「全英オープン」などのメジャーへの道は開かれ、じわじわとその影響力も拡大しつつある。LIVの現状、そしてフォーマット変更点などを改めておさらいしたい。

■団体戦は4人全員のスコアを採用

13チーム×4人の52人+ワイルドカード(チームに所属しない選手)2人、計54人のフィールドで戦うのは昨年と一緒。個人戦では上位24人まで、団体戦では上位3チームまでにポイントが付与される。個人戦1位は400万ドル(約5億8千万円)、2位で225万ドル(約3億2500万円)などは変わらず、54位の最下位でも5万ドル(約725万円)が入る。

個人・団体戦は2月の「リヤド」から8月の「インディアナポリス」まで13試合が組まれ、最後に「ミシガン」で団体戦のみ行われる。個人戦のポイントランク24位までに入れば「ロックゾーン」として来季シードを獲得。25~48位まではトレード対象の「オープンゾーン」となり、チームとの契約が決まれば翌年のシードが付与される。昨年45位で終えた香妻陣一朗は、年末のギリギリまでどこのチームにも拾ってもらえず、最終的に所属していた「アイアンヘッズ」から声がかかったのは覚えている方もいるだろう。そして48位以下は「ドロップゾーン」、いわゆるシード落ちである。

バッバ・ワトソンもウカウカしてられない?

昨年51位だったブランデン・グレース(南アフリカ)、53位のバッバ・ワトソンは本来なら文字通り“ドロップ”するはずだが、ことしもプレーしているのはなぜか。そこはLIV側と“複数年出場契約”をしていたという噂がある。ただし関係者によれば、ことしから有力選手の救済を無くす方向で動いているという。同じような状況で落ちた選手からクレームでも入ったのだろうか。

■団体戦の採用スコアは3人→4人全員に

昨年まで4人のうち3人のスコアが採用されていた団体戦の成績加算方法が変わり、ことしからは各日全員のスコアを採用することになった。チームとしての実力を考えたら、やはり4人のスコアを採用するのが筋。そんな声が選手たちからも上がったのだろう。

この変更に割を食う形となっているのが、香妻のいる「アイアンヘッズ」かもしれない。現在は最下位におり、6試合を終えて1ポイントしか稼げていない。先週の「メキシコシティ」では、ことし加入のチャン・ユビン(韓国)が2日目に「+14」を打つなどし、チームで「+25」とダントツの最下位となった。キャプテンのケビン・ナ(韓国)がユビンにだいぶお灸を据えたと聞くが、それでもやはり全員の成績が加算となるとチームの実力が如実に出てくる。

香妻陣一朗が属するアイアンヘッズは最下位と振るわない

香妻は「コメ(最もスコアの悪い※の選手成績は反映されない)がなくなってさらに厳しくなったんですよね。 やっぱり1人やっちゃう選手が出ると、 上との差がより激しくなる。 そういう意味では、自分もチームのスコアを落としちゃいけないという緊張感は常にあります」と新フォーマットの印象を語った。

現在の団体戦1位はジョン・ラーム(スペイン)、ティレル・ハットン(イングランド)らのいる「リージョンXIII(13)」。ことしから入った若手のトム・マッキビン(北アイルランド)も個人戦で16位と活躍しており、チームとしての総合力が高い。2位の「ファイヤーボールズ」も、セルヒオ・ガルシア(スペイン)、アブラム・アンセル(メキシコ)と実力者揃い。さらにダビド・プイグ(スペイン)が個人戦7位と爆発力がある。

■LIVからメジャーへ 新たなルート開拓

さらにことしの大きな変更点は、メジャーへの道が開けたこと。全米オープンと全英オープンは個人戦のポイントランキング上位者に出場権が付与される。全米オープンは5月19日時点での上位3人(有資格者を除く)、全英オープンは6月末の「ダラス」終了後の上位5人が出場チケットを得る。

ケガにより先週ようやく今季初戦を迎えた香妻は「いやまあ、最初から出ていればね…。(メジャー出場は)今年はちょっと難しいかもしれない」と前置きした上で、「そういう風にLIVも世界的に認められてきているっていうことですよね。LIVに出ている僕としては、こういう話を聞くとやりがいがあります」と話す。

大物選手が数多く所属するLIVゴルフ(Pedro Salado/LIV Golf)

全米オープンを主催するUSGAも全英オープンを主催するR&Aも、LIVにいるトップ選手を出場させたい。そしてLIV側も世界のトップリーグにしたいというお互いの思惑が一致した形と言えるだろう。

■コースセッティングの変化と短パン禁止令

その“世界基準”の話と一貫した変更が、ことしのコースセッティングにも表れている。ピンポジションが明らかに難しくなっているのだ。「以前からピンポジションがやさし過ぎるんじゃないかって話が、選手の間で上がっていました。簡単すぎると、いざメジャーに行ったときに通用しないと選手たちが危惧していました」とは関係者の話。

昨年までよりもコース難度が上がっているという

実際に今週の初日、2日目のピンポジションを見ても、傾斜がきつめの難しいラインに切ってあったり、池側のショートサイドに切ってあったり、一筋縄ではスコアを出せないセッティングになっていた。初日後の香妻も「結構、ピン位置をふっていますよね。先週(メキシコ)もそれを感じていました。他の選手に話を聞いたら、ことしはずっと(ピン位置を)振っているって。 今日も傾斜ギリギリのところに切っていたので難しかったです」と変化を感じていた。

ちなみに、数試合前から試合での短パン着用が禁止になった。今週も、短パン好きなダスティン・ジョンソンブライソン・デシャンボーらは、ちゃんと長いパンツを履いている。そこも世界基準? いや、単に新しいCEOのスコット・オニール氏が「見栄えを気にした」というのがもっぱらの噂だ。

短パン好きたちも長いパンツを履いている

いずれにしても一つ言えるのは、LIVゴルフ側の柔軟性と反射神経の早さにはいつも感心させられる。良いもの、魅力のあるものは積極的に取り入れ、選手の声も拾い上げてシステムをドラスティックに変えてしまう。そして、ファンが喜びそうなものを演出していく。この反応の早さは、見習うべき点も多いのではないだろうか。(韓国・仁川/服部謙二郎)

炎と音楽の演出にコリアファンも盛り上がる スタート前の一斉練習は壮観