強肩強打の野口が退路を断ってNPBを目指す。写真は2022年のもの(C)産経新聞社 球界関係者にとって衝撃のニュースがも…

強肩強打の野口が退路を断ってNPBを目指す。写真は2022年のもの(C)産経新聞社

 球界関係者にとって衝撃のニュースがもたらされたのは、4月30日のことでした。

 社会人野球の名門・NTT東日本に在籍していた強肩強打の捕手・野口泰司が、ウエスタン・リーグのくふうハヤテに入団することが発表されたのです。

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 野口捕手といえば、愛知・栄徳高校時代からドラフト候補として注目され、名城大でその才能は開花。3度のリーグ優勝へ貢献し、4年秋は明治神宮大会で4強入り。4年時には侍ジャパン大学日本代表にも入るなど、アマ球界を代表する強肩捕手として注目されていたのです。

 NTT東日本でも入社2年目から正捕手を務め、2024年夏のU-23日本代表ではキャプテンを任されました。ところが昨秋のドラフト会議では惜しくも指名漏れ。すると退社して、先月に行われたくふうハヤテのトライアウトを受験。そこから再びドラフト指名を目指すことになったのです。

 アマチュア野球に詳しいライターは言います。

「野口捕手にとっては、思い切った決断と言えるでしょう。というのも、NTT東日本は社会人野球において、名門中の名門。有望な大学選手にとっても、なかなか入れるチームではありません。ドラフトは『縁』。高校時代から大学、社会人と三度の指名漏れを経験しており、とにかくNPBへという気持ちは理解できますが、ある意味、退路を断ったとも言えるでしょう」

 そして、こう続けるのです。

「近年、このように名門社会人企業チームを退社して、ファーム新球団や独立リーグ球団に移籍する例が相次いでいます。ついつい『もったいない』と思ってしまうのですが、彼らにとって大切なのは、社業に上がった後の安定した生活ではなく、NPBにドラフト指名されること。ならばNPB関係者の目に留まりやすい環境に身を置くことは必然なのでしょう」

 企業チームにとって、求められるのは夏の都市対抗に出場し、勝つこと。その過酷な戦いを経験している分、社会人野球からNPB入りした選手は、比較的早い段階でチャンスを与えられ、活躍してきました。

「企業チームの選手は基本的に育成での入団がNG。一方で、『育成でもいいから勝負したい』という選手の希望もある。一般の仕事でも大企業を退社してベンチャーに転職する人はいますから、こればかりは個々人の価値観としか言いようがありません」(前述のライター)

 人生観は様々。くふうハヤテでの野口捕手の活躍を、今は祈るしかありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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