東京ヴェルディの城福浩監督が、3日に埼玉スタジアム2002で行われる明治安田J1リーグ第14節の浦和レッズ戦に向けた会見…

東京ヴェルディの城福浩監督が、3日に埼玉スタジアム2002で行われる明治安田J1リーグ第14節の浦和レッズ戦に向けた会見を実施した。

東京Vは前節、ファジアーノ岡山とのアウェイゲームを1-0で勝利。3試合連続クリーンシートとともに2戦連続のウノゼロで今季初のリーグ連勝を達成。順位は13位と変わらずも団子状態のリーグ戦で上位との勝ち点差を縮めた。

開幕連敗スタートからようやく星を五分(4勝5分け4敗)に戻し、ここからさらなる上昇を目指すという部分では、16年ぶりのJ1での戦いとなった昨季と重なるところは多い。昨季から在籍する選手たちも多くいるなかで、同じ轍を踏む形となった序盤戦をやや悔やむ指揮官だが、「次のサイクルに移行しつつある」とチームの現状をポジティブに受け止めている。

「去年のチームと比較するというのはなかなか難しいですけれども、意識としては去年も今年もそうでしたけれど、山田剛綺に我々の原点を思い出させてもらうみたいなところが、どうしてもあった」

「人からの刺激とか、痛い目に遭って原点のところの積み上げをしていくようなプロセスにあったと思います。今年も同じような歩みをしましたけれども、今はやはりそれ(ハードワークやひたむきさ)があって我々の良さが出せる。それがあってJ1で戦えるということを、選手も手応えとして感じてきたと思います」

「彼ら自身がこのチームで失ってはいけないもの。持ち続けなければいけないものを認識しながらやり始めてくれているのではないかなと。メンバーが変わってという言い方がいいか、変えられて目が覚めるというサイクルから、次のサイクルに移行しつつあるのではないかなと。期待も含めてそういうふうに感じています」

清水エスパルスとの開幕戦での悔しい敗戦を教訓に臨んだ岡山戦でもチームは、初昇格の相手の挑戦を受けるのではなく、あくまで挑戦者として泥臭く勝ち切るというメンタル面での成長を示した。

その姿勢について指揮官は「大きな事実として岡山さんの方が勝ち点で上」と予め挑戦者として挑むべき前提があったとしながらも、「選手はもう痛い目に遭っているはずなので、言わずともそれはやってくれた。ヘディングで負けない気迫、あるいは突破されてもクロスのマークのところをしっかりつく。シュートブロックのところも体を張っていた。セカンドボールを含めてリアクションのところではプレーで表現できた」と評価している。

一方で、「最少得点差で勝ち抜いていくというのは悪い話ではないですけれども、やはり2点目、3点目を取らないといけない。特に次の浦和さんは本当に個のレベルが高く、じゃあしのぎ切れるのかというと、しのぎ切るのが我々らしいとも言えますけど、やはり追加点を取れるチャンスの数を増やしていくという意味では、反省することはたくさんある」と、課題の攻撃面の改善を改めて訴えた。

今回の会見ではこれまでの最後の局面での判断・精度の追求。アタッキングサードにおける、より大胆な選択という部分に加え、攻撃に移る前を含めたスタートの段階からの“準備”を大きな改善ポイントとして挙げた。

「決定機の前の前の前ぐらいという言い方がいいのか、攻撃がスタートして、それが奪った直後かもしれないですし、ビルドアップでへそを使ってうまい具合に前を向けた時かもしれない。あるいは多少相手のプレスに嵌って、多少圧力を受けながらのビルドアップかもしれないですけども、ボールが動いている間にどういう準備をするかと」

「その準備がちょっと遅い。より早い準備をしてボールの供給、動き始めるポイントが相手よりも優位なところからスタートすること。早く準備すれば、今度は相手が対応してきた時に、その逆の動きもできる。それをポジショニングという言い方がいいのか、サポートのスタートという言い方がいいのか。そこの準備のところが少し遅い」

「歩いているからダメとか、常に走っていなければダメということではないですけど、その3歩を準備したとて、おそらくは60分なら60分、70分なら70分走り切れるはず。あの守備をみんながしながらバトンを渡していくなかで、その3メーターを、その1秒を、どういう準備をするかと。休むのか、休まないのか。その1秒をダッシュしろとは言わないけれども、そのポジショニングというのが我々の決定機の数に比例していくというところは共有しました」

さらに、その準備段階のポジショニングや効果的なアクションは、得点力の改善だけでなくより自分たちの形でゲームを進めていく上でも重要な要素になると考えている。

「決定機よりもだいぶ遠いので見過ごしてしまいそうなシーンが、我々のポジショニング1つで決定機を作れる可能性がある。これも何回も何回も刷り込むような作業ですけれども、スタートポジションへの準備、そのポジションを取って出し切るというところはまだまだ」

「そのポジションを取れていないので、結局はディフェンスの後追いになったりとか、走れるはずが、ディフェンスが先にスタートして、結局走らずに終わっている。そういうなかで、守備にエネルギーを使ってバトンを渡していくというのはもったいない話なので、もっともっとアクションでエネルギーを使うための、準備の1秒というか、そこを歩くのか、ポジションを取るのかというところが、我々はまだまだ足りないと思っています」

「僕らにとって数字(GPSでのスプリント回数やウォーキング率)はあくまでも参考資料であって、その前の3秒前に1秒前にどういう準備をすれば、もっと能動的なスプリントを引き出した上で、バトンを渡していけるはずですし、得点を取ってバトンを渡していけるはずなので、ここのところはもっとレベルアップしていきたい」

中3日でのアウェイ連戦に加え、4連勝で4位浮上となった絶好調の対戦相手は中7日と休養十分で臨むこともあり、その課題克服が上位撃破での3連勝への大きなポイントのひとつとなりそうだ。

また、城福監督は対浦和という部分で「一番怖いのは相手のカウンター」と、この連勝期間に破壊力を示した相手の十八番の形をいかに封じるかが、勝利のカギを握ると語っている。

「最終ラインとアンカーのところに外国人選手。前線にマテウス・サヴィオがいて、その周辺に質の高い日本人の選手がいる。しかもメンバーが固定しつつある最近はどのようにハードワークして、各々の特徴や個のレベルの高さを活かしていくかというのが、チームとして認識できているのが最近の浦和さんなのではないかなというふうに思います」

「一番怖いのは相手のカウンター。ハードワークして、ボールを奪った後のカウンターの精度というのは、今の浦和はスピードそのものもありますし、実際にかける人数とかシュートに持っていく精度も含めると、これはどのチームもてこずっている。そこに対して、我々がカウンターを発動させないような攻め方ができるのか、発動された時にどんな対処ができるのかというのが、今回のひとつの勝負の分かれ目になるかなと思います」

なお、浦和にとって2016年以来のリーグ5連勝が懸かる今回の一戦はここ最近の好調さ、ゴールデンウイーク期間の開催ということもあり、5万人超え確実のアウェイチームにとってはタフな試合になることは間違いない。

城福監督も「簡単な戦いにはならない」と覚悟しながらも、昨季の浦和のホーム開幕戦(1-1△)での経験を活かし、勝ち点3を持ち帰りたいと意気込んだ。

「去年からいるメンバーは去年の浦和さんのホーム開幕戦で我々はやらせてもらっているので、そこで5万人超えのなかでやらせてもらえている経験値というのは大きい。もちろんあの独特の雰囲気のなかで戦うというのが簡単なことではないことも含めて、選手たちがどんな空気感のなかでキックオフの笛を聞くんだというのは、ある程度イメージできていると思います」

「浦和さんは5連勝を懸けて戦ってくると思うので、本当に簡単な戦いにはならないと思いますし、直近のところは交代選手を含めて、エネルギーを再注入してくるチームに変貌してきているので、選手層の厚い浦和がそのような戦いをしてきたら、なかなか負けないと思います。我々はそこに対してしっかり挑んでいかなければいけないなと思います」