大谷翔平が見せた“父親”の表情【MLB】ドジャース 15ー2 マーリンズ(日本時間30日・ロサンゼルス) キャップを後向きに被った“野球少年”は、にこやかに笑った。ドジャース・大谷翔平投手は29日(日本時間30日)、本拠地でのマーリンズ戦を…

大谷翔平が見せた“父親”の表情

【MLB】ドジャース 15ー2 マーリンズ(日本時間30日・ロサンゼルス)

 キャップを後向きに被った“野球少年”は、にこやかに笑った。ドジャース・大谷翔平投手は29日(日本時間30日)、本拠地でのマーリンズ戦を15-2で快勝した直後、囲み取材に応じた。真剣な表情で米メディアの質問に答えた後、公の場で初めて“父の顔”を見せた。

 真美子夫人との間に長女が誕生して10日ほどが経った。「無事に生まれて感謝していますし、寝不足気味でしたけど、心地の良い寝不足というか……。幸せな寝不足でした」。3度の「寝不足」に、睡眠不足であることは間違いなさそうだったが、言葉よりも笑顔が印象的だった。

 天から授かった宝物を初めて抱いた感触は「なんて言うんですかね……。温かったですね。予想より大きく生まれてきてくれたので、まず安堵というか。健康な状態で生まれてきてくれたので、それが何よりかなと思います」と明かした。

 予定の出産日よりも「早く生まれてきたので、時間は思ったよりありました。妻も悪い状態じゃなく、無事に健康な状態で。その後の数日も過ごせていたので、安心して遠征には行きましたね」と振り返る。額に滲んだ汗を拭う30歳の表情は、爽やかながら渋みを増していた。

 16日(同17日)の本拠地・ロッキーズ戦で6号を放って以来、13日ぶりの一発を初回先頭打者アーチで決めた。「父親リスト」に入って以降での初のアーチに「(妻が)出産してからホームラン打てていなかったので1本出て良かったと思います」と目を細めた。

 昨年に真美子夫人との結婚を発表。今季は長女の誕生とあり生活リズムは変わった。「リズム自体は変わります。今日も病院に行ってから来たりとか……。しばらくはそんな感じじゃないかと思います」。リラックス時の表情も“パパ”に寄ってきた。

 この日の試合前、チーム関係者の子どもがクラブハウス内を走り回っていた。帽子を取るようにジェスチャーで伝えると、サラサラの金髪を見て右手の親指を上げた。グラウンドに立つ30歳とは、また違った一面。打席でもマウンドでも、戦う瞬間は1人。“勤務中”は会いたくても電話すらできないが、ユニホームを脱げば1児の父。家族の温もりに支えられて生きている。(真柴健 / Ken Mashiba)