外部から厳しい指摘を受ける角田。(C)Getty Images 常勝軍団での挑戦は生半可なものではない。 去る3月27日にレーシングブルズからレッドブルへ緊急昇格した角田裕毅は、鈴鹿での“凱旋”となった日本GPも含めた3戦で12位、9位、リ…

外部から厳しい指摘を受ける角田。(C)Getty Images

 常勝軍団での挑戦は生半可なものではない。

 去る3月27日にレーシングブルズからレッドブルへ緊急昇格した角田裕毅は、鈴鹿での“凱旋”となった日本GPも含めた3戦で12位、9位、リタイアという成績を記録。予選ではエースドライバーであるマックス・フェルスタッペンに肉薄する好レースを披露する場面もあったが、獲得したポイントはわずか「2」。周囲を納得させるだけの結果を出せたとは言い難い。

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 無論、業界内でも不安視されるほど“操作困難”のマシン『RB21』に馴染む時間の少なさは否めない。実際、角田自身もサウジアラビアGP期間中に「プッシュしようとすると予測できないことが起きる。だから1周をうまくまとめるのがかなり難しい」と苛立ちを露わにしたほどだ。

 それでも常に外部から結果を求められるのが、レッドブルというチームである。セカンドドライバーとしてのパフォーマンスが追及される角田には、厳しい指摘が飛ぶ。トロ・ロッソ(現レーシングブルズ)で2009年にF1史上最年少デビューを果たしたハイメ・アルグエルスアリ氏は「彼(角田)はチームメイトからもずっと遅れていた」と糾弾している。

 かつての俊英が問題視したのは、エースとの“差”だ。前戦のサウジアラビアGPでもポールポジションを獲ったフェルスタッペンから0.910秒も後退。レッドブルデビューとなった日本GPから大きく後れをとる場面が続いている。

 母国のポッドキャスト番組『The After Lap Podcast』で、レッドブル内で生じる差について問われたアルグエルスアリ氏は「セカンドドライバーがチームメイトからコンマ9秒遅れても許されるのかどうか見てみよう」と指摘。さらに「たとえ、競争相手がマックス・フェルスタッペンであろうと、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)であろうと、今の状況(チームメイトからコンマ9秒落ちが続く)は受け入れがたい」と辛辣な持論を続けた。

「『彼(角田)はQ3に進出したんだ』と言っても、ポールポジションを獲得した相棒からコンマ9秒遅れだ。(今のままでは)ダメだよ。たしかにツノダはQ1では全て接戦だった。しかし、Q3は路面状況が大きく変化している。全員がニュータイヤを履いているから、違いを生み出さなければならないんだ。あのチャンピオンマシンに乗っていて、チームメイトはレースに勝つか、表彰台に立つかのどちらかなんだ。だから目を覚ませよと言いたいね」

 かつての名ドライバーから覚醒を促された角田。今季中のレッドブル所属は決定的と見られているが、フェルスタッペンに食らいつく走りを見せ、チームに貢献していくことが求められる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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