DeNA・筒香嘉智外野手の兄・裕史氏が衝撃を受けたドミニカ共和国の子どもたち あえての厳しい環境が、子どもたちの野球の土…
DeNA・筒香嘉智外野手の兄・裕史氏が衝撃を受けたドミニカ共和国の子どもたち
あえての厳しい環境が、子どもたちの野球の土台を築くヒントになる。野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」が24日、競技力向上に欠かせない能力や“センス”を磨く、5夜連続のオンラインイベント「運動神経向上LIVE」を開催。イベント4日目のこの日はDeNA・筒香嘉智外野手が設立した少年硬式野球チーム「和歌山橋本Atta boys(アラボーイズ)」で代表を務める兄・裕史さんと、西武のベースボールアカデミーコーチ・白崎浩之さんが登場し、「動ける身体づくり」について語り合った。
野球を始めたばかりの子どもたちは、今何をやるべきなのか? 最新の技術、理論など情報が溢れる時代でも、悩み続ける指導者は多い。その理由の1つが「身体を思い通りに動かせない子が多いこと」だという。
裕史さんが代表を務める「アラボーイズ」では技術もさることながら、身体能力の向上に力を注いでいる。スケールの大きい選手を育成する上で、影響を受けたのは2015年に訪れたドミニカ共和国での野球文化だった。砂利道を裸足で歩く、木登りして果物をとる、整地されていないグラウンドでの球遊び……。けっして恵まれた環境とは言えない中でも、楽しく遊びながら成長する子どもたちの姿に衝撃を受けたという。
「こういう場所だからこそ、身体能力の高い子たちが生まれる。中学生がデレク・ジーター(元ヤンキース)のようなジャンピングスローでアウトを奪う姿に驚きました。でも、全員が全員、足が速い、肩が強い訳ではなかったです。野性的に自分で考えて生活している子たちが野球をしている。型にはまらないプレースタイルが生まれる要因がわかり、これは日本でも工夫次第では戦えると思いました」
白崎氏は「まず自分の体を扱えないと道具も扱えない」
アラボーイズが拠点とするのは、筒香が2億円の私費を投じて故郷・和歌山に建てたスポーツ施設「TSUTSUGO SPORTS ACADEMY」。天然芝の専用球場、サブ球場、室内練習場と環境は申し分ない。だが、練習内容は“野性味”溢れたものばかりだ。整地されていない地面で壁当て、上り下りしながらの坂道ノックなど。あえてイレギュラーが起こりやすい環境を作り練習を行っている。
「一番いいのはイレギュラーという言葉が頭の中に無いこと。どこに跳ねるかわからない環境を作って、どんな球にも反応できるようにしたい。重心の置き方、スピードを出すタイミングが個々でわかるようになる。言葉で指導するよりも自然と動ける、考えるような選手になってほしいと思っています」
ライオンズジュニアのコーチを務める白崎さんも「野球は道具を扱うスポーツ。まずは自分の体を扱えないと道具も扱えない。昔に比べて今の小学生はグラブ捌きは各段に上手いですが、瞬発力や速さを求めることができない部分もある」と持論を口にする。技術を支える土台(身体操作)が大きくなければ、技術を詰め込むスペースは限られてしまう。
プロ並みの球場、室内練習場など恵まれた環境で野球をすることもいいが、あえて厳しい環境下でプレーすることも成長に繋がる。裕史さん、白崎さんは「野球人としてのピークはどこなのかを指導者は理解してほしい。子どもたちは将来活躍するための“育成段階”です」とアドバイスを送っていた。野球の技術向上に繋がる知識を学べる「運動神経向上LIVE」は25日まで開催される。(First-Pitch編集部)