ブライアン・ハーマンとテーラーメイド「スパイダーOS(オーバーサイズ)パター」は切っても切れない関係だった。2016年…

テーラーメイドの新パターと相性良し(Jonathan Bachman/Getty Images)

ブライアン・ハーマンとテーラーメイド「スパイダーOS(オーバーサイズ)パター」は切っても切れない関係だった。2016年に初めてこの既製品のパターを購入して以降、同モデルのパターでプロとしてのほぼ全てのラウンドを回ってきた。2023年「全英オープン」でメジャー初制覇を果たした際も、バッグに収まっていた。

3月「ザ・プレーヤーズ選手権」のときでさえ、このパターはバッグの中にあった。とはいえ、実のところ、2025年を通じてパターのテストを行なっており、愛する実戦使用クラブをバッグから追い出すほどのものは見つけていなかった。

そして、4月「バレロテキサスオープン」の週に、ついに長年のパートナーだったスパイダーOSをベンチへと下げるパターを見つけた。この新パターはかなり新しいもので、テーラーメイドもまだ一般向けにはリリースしていない。まだプロトタイプの段階だが、青いソールプレートに刻まれた文字からすると、テーラーメイド「スパイダー5K-ZT」(ZT=ゼロトルク:プレーヤーのストロークスタイルにかかわらず、ストローク中のねじれに対する耐性が備わった設計)と名付けられているようだ。

「バレロテキサス」優勝会見でハーマンが述べたように、このパターはテーラーメイドのレップが大会期間中の火曜日に手渡した複数のプロトタイプパターのうちの一本だった。2025年を通じて色々なパターを試してきたので、使うことに迷いはなかった。

会見で「昨年の自分のスタッツを見てみると、アイアンやグリーンへのアプローチに関しては恐らくキャリアで最高のシーズンだったけれど、10フィート(3m)から20フィート(6m)のパッティングは多分キャリアで最悪だったんだ。10フィート以内は依然として良かったのだけど、その特定の距離だけは、チャンスがありながらも全く決められていなかったんだ。しばらく前から、パターを変更してみようかと考えていた。あのパターを今週の火曜に手に取ってみたところ、とても良い感触だったし、転がりも良く、少し解放された気がしたんだ」と述べている。

引き続き2025年のメジャー「マスターズ」でもこの新しい優勝パターを使い続け、成績は36位だったものの、グリーン上では0.79ストロークを稼ぎ出した。datagolf.comによると予選通過を果たした選手の中では、ストローク・ゲインド・パッティングで12位に入った。PGATOUR.COMのスタッツによると、2025年の同スタッツのランキングを124位としているので、新しいパターが勢いをもたらしたことは明白である。

新しいパターを使い初めて数週間が経過したところで、ハーマンは今週の「RBCヘリテージ」にて、再びこれについて質問された。

「まあ、そうだね、特にバレロではそうだったのだけど、僕は新しいパターを手に入れたときはいつだってパットの調子が良いんだ。新婚期間みたいなものってあると思うんだ。ただ、今はあのパターに関しては、なんと言うか、パッティングって色々な要素が合わさっているじゃない?スピードは合っているのか?ラインは合っているのか?果たして良いパットが打てるだろうか?という具合に。あのパターだと、今のところ、“果たして良いパットが打てるだろうか?”という要素は取り除けるんだ。あれだと良いパットが打てるので、ラインやスピードを合わせることにより集中できて、ボールを良い感じで打てるかどうかについて煩わされることがないんだよ」

ゴルフクラブは、結果についてあれこれ考えるのではなく、目の前のタスクに集中できるほどプレーヤーにピッタリとフィットしているのが理想。どうやら、新しいテーラーメイドのプロトタイプパターで、その魔法のコンビネーションを見つけ出したようだ。願わくば、これが単なる新婚期ゆえの好調ではなく、スパイダーOSがそうであったように、長年にわたる答えとなって欲しいものである。

(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)