◆陸上 日本選手権1万メートル(12日、熊本・えがお健康スタジアム) 9月の東京世界陸上日本代表選考を兼ねて行われ、男子は、駒大出身の鈴木芽吹(トヨタ自動車)が27分28秒82で初優勝。試合後は涙を浮かべ「本当にうれしい。今日勝てないと一生…
◆陸上 日本選手権1万メートル(12日、熊本・えがお健康スタジアム)
9月の東京世界陸上日本代表選考を兼ねて行われ、男子は、駒大出身の鈴木芽吹(トヨタ自動車)が27分28秒82で初優勝。試合後は涙を浮かべ「本当にうれしい。今日勝てないと一生勝てないくらいの気持ちで走った」とかみしめた。昨年覇者の葛西潤(旭化成)が27分33秒52で2位、吉居大和(トヨタ自動車)が27分36秒33で3位。2月の別府大分毎日マラソン初マラソン日本最高&日本学生新記録(いずれも当時)の2時間6分7秒をマークした若林宏樹は青学大を卒業し「日本生命」の所属選手として出場し、30分20秒38で最下位の19位だった。
鈴木は序盤、集団の後ろでレースを進め、徐々に前方へ。中盤以降は葛西、吉居と3人の先頭集団で争う展開となったが、残り1000メートルで「自分がかなり余裕があった」と力強くスパート。勢いそのままに勝ちきった。
昨年、5000メートルと1万メートルで自己ベストをマークし、今年元日のニューイヤー駅伝では2区10人抜きの快走。その後は「あまり練習の質を上げずに、基礎的なところからしっかりしていこうと思ってやっていました」と丁寧にトレーニング。3月中旬から今大会直前まで行われた、駒大の大八木弘明総監督率いる「Ggoat」の米国・アルバカーキ合宿もばっちりこなした。
今後は、日本記録(27分9秒80)を超える日本勢初の26分台も視野に入っているという。「だんだん、そこが明確な目標になってきています。今日はそういう日ではなかったのでまだまだでしたけど、ちゃんと狙うってなったときに、チャレンジする力はついてきていますし、自信もついてきています。今自分ができる最大限を積み重ねていけば届く目標だと思っています」と頼もしく話す。
9月の東京世界陸上へ、ワールドランキングでの代表入りの可能性は十分にある。「最初に日の丸をつける舞台は、東京にしたい」とこの日手にした自信を胸に、まだまだ鍛錬を重ねる。