中国地方を拠点とするJ1の2チームによる初の「中国ダービー」の試合が12日、広島市中区のエディオンピースウイング広島で…
中国地方を拠点とするJ1の2チームによる初の「中国ダービー」の試合が12日、広島市中区のエディオンピースウイング広島であった。昨季2位のサンフレッチェ広島と、今季初昇格したファジアーノ岡山。キックオフ前の両県知事によるドリブル対決は広島に軍配が上がったが、試合は岡山が1―0で隣県対決を制した。
キックオフの3時間前から、スタジアム周辺は紫色ユニホームのサンフレサポーターと、赤色ユニホームのファジサポーターであふれかえった。スタジアムには約2万6千人が詰めかけた。
岡山県倉敷市から訪れた金平ふき子さん(52)は、ファジを10年以上応援してきた。試合前に「やっとここに立てた。うれしい、夢みたい」と笑顔をこぼすと、「きょうがファジにとって新しい始まりになる。全力で楽しみたい」と話していた。サンフレのファン、広島県東広島市の藤井あさみさん(41)は「隣同士なので、負けたら他のチームに負けるより悔しさが倍増しそう」。長男のはると君(11)も「隣の県だからライバル意識がある。絶対勝って欲しい」と力を込めていた。
試合前には前哨戦として、広島と岡山の両県知事が20メートルのドリブル対決で火花を散らした。
対決を制した広島の湯崎英彦知事(59)が勝ち取った1分間のPR時間で、広島の酒や魚を売り込むと、岡山の伊原木隆太知事(58)も30秒で負けずにPR。「岡山と言えば果物王国。次の中国ダービーは白桃の季節。ぜひ広島のみなさんもお越しください」と呼びかけた。
同じ年に東京大を卒業し、米スタンフォード大学院に通った2人。対決後、湯崎知事が「J1を岡山と一緒に楽しめるのは最高」と言うと、伊原木知事は「J2で16年と時間はかかったが、ようやく広島と戦えることがうれしい」と話し、両県の交流に期待を込めた。
試合は、サンフレがシュート11本とファジの6本を上回ったが、後半に貴重な好機をものにしたファジが逃げ切った。ファジは5勝2分け3敗とし、1試合少ない広島の勝ち点17に並んだ。
広島市佐伯区の会社員、稲津佑哉さん(25)は「中四国は広島1強の印象だが、完全に勢いに飲まれた。岡山の底力に驚かされた。次は広島の底力を見せてほしい」と話した。岡山市在住の伊東伸介さん(72)はファジを応援して16年。「死ぬまでないと思っていた試合が見られるので、昨日からうきうきしていた。勝って夢みたい。次の中国ダービーも楽しみにしたい」
両チームの次の「中国ダービー」は7月5日、ファジの本拠地である。(遠藤花)