◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 3日目(12日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7069yd(パー71…

アルバトロスを達成した出利葉太一郎(C)JGTOimages

◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 3日目(12日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7069yd(パー71)◇晴れ(観衆5238人)

12番(パー5)、第2打の残り距離は278yd。出利葉太一郎はアイアン型UTを振った感触の良さを噛みしめながら、入ったかどうかは半信半疑だった。グリーンに向かう途中、朗報を知らせてくれたのは1組前を回っていた石川遼。すれ違いざまに「誰か入ったよね」と言われて「入ったんだ!」。人生初のアルバトロスを決めたが、喜ぶ余裕はほとんどなかった。

8位から出た3日目に、9番から3連続バーディを奪った後の快挙。首位との差を一気に縮めた一打に、うれしさより緊張感が高まった。「最後のホールだったらすごく喜べるけど『これからの数ホールをどうプレーするのか』が、まず頭に浮かんできた」。歓声に応えるリアクションもそこそこに、13番(パー3)はフワフワしたままティショットを打ったらグリーンを外すピンチが来た。「アプローチも嫌なライだったけど、2、3mのパーパットが入ってすごく良かった」と、ようやく少し落ち着いた。

1アルバトロス5バーディ、3ボギーの「66」で終えて、通算12アンダー3位に浮上。推薦出場の初参戦大会で、首位と5打差で最終日を迎える。今季はQTランキング55位と出場試合は限られていて、次に決まっているレギュラーツアーは6月「ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品」(西那須野CC)だけ。ここで初優勝となれば、今季残り試合と来季以降の2年シードが手に入る。

あすは悪天候予報だが、「優勝できるように準備したい」と5打差逆転の可能性にかけて気を引き締めた。ちなみに、国内ツアーでアルバトロスは過去49度(データが残る1985年以降)あるが、達成選手で当該大会に優勝したケースはない。そんなジンクスを吹き飛ばし、プロ2年目で頂点を味わいたい。(三重県桑名市/谷口愛純)