◇メジャー初戦◇マスターズ 2日目(11日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)会場内を走ってはいけない――。厳格で知られる「マスターズ」のルールのひとつだ。ロリー・マキロイ(北アイルランド)は百も承知で「…

史上6人目のキャリアグランドスラムへ好位置で週末に進んだ

◇メジャー初戦◇マスターズ 2日目(11日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)

会場内を走ってはいけない――。厳格で知られる「マスターズ」のルールのひとつだ。ロリー・マキロイ(北アイルランド)は百も承知で「ボールが丘から転がり落ちないようにマークしようと走ろうかと思ったよ」と振り返る。

15番(パー5)でグリーンをキャッチしたセカンドが、手前の池へ向かう傾斜にかからないギリギリで止まったシーン。前日は4アンダーと快調に伸ばして迎えた15番でダブルボギーを喫していた。奥からの寄せがファーストバウンドで硬いグリーンにはじかれて止まらず、反対側の池まで転がった。「本当にいいチップショットを打った。このコースで似たようなショットを100回は打ってきたが、(昨日は)最初のバウンドしたところの地面がとても硬くて本当に驚いた」

ショックを引きずるように、17番でアプローチを寄せるのが難しい奥にこぼして2つ目のダブルボギー。「72」で首位と7打差27位と好スタートを切れず、ホールアウト後は無言で引き揚げた。「昨日は本当に良いゴルフをしていた、2ホールの悪いスコアによって、一週間のストーリーが決まってしまうのは避けたかった。そう自分に言い聞かせた」。愛娘のポピーちゃんが寝てしまう前に急いで宿舎へと戻り、心を癒やして2日目に臨んでいた。

初日「72」から2日目「66」

だからこそ、5つ伸ばす勢いをキープした15番のバーディに価値がある。13番(パー5)ではティショットが右サイドに敷かれたパインストロー(松の枯れ葉)まで突き抜けたが、番手間の微妙な距離が残ったセカンドをピンそば2.5mに絡めた。4Iでラインを出すように打ったショットがギリギリで手前のクリーク(小川)を越え、イーグルを奪取。「全てのショットで気を引き締めなければならないという教訓を得た。今日のラウンドは、誰よりも自分は立ち直る力があるという信念を裏付けただけ。そこは誇りに持っている」と胸を張った。

1イーグル4バーディの「66」で通算6アンダー。史上6人目のキャリアグランドスラム達成へ、首位と2打差3位の好位置につけても表情を引き締める。タフなセッティングで「なんでも起こり得る」戦いは、まだ折り返し地点。「あしたの1番でフェアウェイへ良いティショットを打つことだけに集中している。ゴルフの試合は長い」と冷静に言った。(ジョージア州オーガスタ/石井操)