◇メジャー初戦◇マスターズ 2日目(11日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)最終1…
◇メジャー初戦◇マスターズ 2日目(11日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555yd(パー72)
最終18番、パトロンのスタンディングオベーションに迎えられてもベルンハルト・ランガー(ドイツ)は必死で感傷をこらえようとした。堂々の予選通過圏内でプレー。思ったより左風が弱く、3UTのセカンドがグリーン左にこぼれた後の3m強のパーパット。これを決めれば、週末も戦うことができる。勝負の一打はカップをなめるように右を抜けた。通算3オーバー54位。カットラインに1打及ばず、オーガスタでのキャリアに幕を閉じた。
本来なら前年大会が最後となるはずだったが、アキレス腱を断裂して出場を断念。2年ぶり41回目の「マスターズ」は初日のスタートから特別だったという。「最初のティイングエリアからスタンディングオベーションを受けて、その場で泣きそうになった」。米国出身のヴィッキー・キャロル夫人、4人の子ども、2人の孫と家族はもちろん、ドイツからの友人も応援に駆けつけていた。
ドイツでの少年時代は小遣い稼ぎとしてキャディのアルバイトをこなし、のちにアシスタントプロとなった時も「人がうまくなる手助けをするのが自分の人生だと思っていた」。2度のマスターズ制覇、PGAツアーチャンピオンズ(米国シニアツアー)で歴代最多の通算46勝と金字塔を打ち立てた。「まさにおとぎ話だよ」と笑う。
「初めてラウンドした時、すぐにこのコースを好きになった。幸運にも2度優勝し、何年も何年もここに戻ってくることができた。特別な場所だ」。この日、大好きなオーガスタナショナルGCでプレーする限界を改めて感じた。「ミドルからショートアイアンで狙うように設計されたグリーンは、とても難しい。長いクラブで打っても、止めるべきところにボールを止められないんだ。私は競技者。リーダーボードの上位に名を連ね、勝つチャンスが欲しい。このコースでは、もう勝てる気がしない」
重くのしかかった後半15番(パー5)のダブルボギーは、好感触を残した3打目のウェッジショットがスピンバックして手前の池に転がり落ちたもの。生命線となる短い距離でのミスが痛恨だった。
母国では、輝かしいキャリアを振り返るドキュメンタリー番組の制作が進んでいる。「もう1時間か2時間、彼ら(番組スタッフ)と一緒にこのトーナメントとの別れ、競技者としての別れについて話さなければならないと思う。『マスターズ』は、そのドキュメンタリーの大きな部分を占めているからね」。その時は、目いっぱい感傷に浸るつもりだ。