今回のtotoはJ1第10節の9試合と、J2第9節の4試合が対象となっている。過去のデータや直近の様子などから、分析を…

 今回のtotoはJ1第10節の9試合と、J2第9節の4試合が対象となっている。過去のデータや直近の様子などから、分析を進めてみよう。

■「1ケタ」と「2ケタ」に分かれて大混戦

 例年、先の読めない展開と混戦が続くJ1であるが、今季は特に珍しい現象が起きている。リーグが「真っ二つ」になっているのだ。

 4月9日に川崎フロンターレ横浜F・マリノスが未消化だった第5節を戦い、J1第10節スタートを待つ順位表を見ると、驚くべきことに気づく。首位のFC町田ゼルビアから9位の湘南ベルマーレまでが、わずか勝点3差にひしめいているのだ。数字だけを考えれば、9位から首位へと一気に浮上できる状況だ。

 同じことが、順位表の下半分にも言える。11位の横浜FCから見て、9位の湘南との間には勝点4差が開いているので1節での順位逆転は不可能だが、最下位のアルビレックス新潟とは勝点3差と、数字的に一気に順位が入れ替わる可能性があるのだ。まるで、1ケタ順位の「上位リーグ」と2ケタ順位の「下位リーグ」に分かれて、大混戦が繰り広げられている印象だ。

 現在、首位に立っているのは町田だが、「下位リーグ」のチームが足止めしそうだ。刺客は浦和レッズである。

 町田のホームに乗り込む浦和は現在12位と、順位は大きく離れている。だが、大きな戦力差があるというわけでもない。

 思い出されるのは、前回の対戦だ。両チームは昨年8月のJ1第29節で激突。当時、町田が首位に立ち、浦和は13位という現在に酷似した状況で対戦し、結果は引き分けだった。しかも会場は、今回と同じ国立競技場である。

 今季まだ連勝のない浦和だが、ヴィッセル神戸鹿島アントラーズという強豪と引き分けることには成功している。そうした試合を含めて、ここまで9試合中4試合が引き分けというドロー率の高いチームでもある。両チームの現在の調子を見ても、引き分けに終わる可能性は十分にあるだろう。

■新たなダービーは岡山の「思うツボ」?

 首位の町田が引き分けるとなると、首位浮上に一番近いのは、現在勝点で並んでいるサンフレッチェ広島だろう。だが、こちらも足踏みする可能性がある。

 今回はホームにファジアーノ岡山を迎える。新たに「中国ダービー」と名づけられた一戦だ。

 順位やチーム力の差を超えた結果が生まれ得るのがダービーで、J1初挑戦の岡山が優勝経験もある広島を苦しめてもおかしくない。そもそも両チームの間には勝点3差しか開いておらず、「何か」が起きても、なんら不思議ではない。

 今シーズンの岡山はホームでの強さが光るが、他にも気になる点がある。ここまでのリーグ戦9試合で、シュート数で相手を上回ったのは2試合だけ。少ないシュート数でロースコアの戦いに持ち込み、勝点を積み上げてきている。

 力関係からすれば広島がシュート本数で上回りそうだが、それこそ岡山の思うツボかもしれない。ただし、岡山と同じく無敗記録を続ける広島のホームゲームで勝利を得るのは、どんなチームにとっても難しいはず。広島が消化試合数は1つ少ないながらも9得点5失点、岡山が8得点5失点と数字の似ている同士の対戦は、ドロー決着を予想する。

 1位と2位が引き分けに終われば、7位の京都サンガF.C.までに首位浮上の可能性が生まれる。後編では、緊迫の上位戦線を予想する。

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