◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 事前(9日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7069yd(パー71)自…
◇国内男子◇東建ホームメイトカップ 事前(9日)◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重)◇7069yd(パー71)
自分より頭一つ分背の高いキャディと並ぶと、思わず背伸びしたくなる。身長は167cmと小柄なほうだが、300ydを超えるビッグドライブが森山友貴の持ち味のひとつ。昨年はカナダを飛び回った23歳が、日本でルーキーイヤーを迎える。
昨年6月にプロ転向し、同年のQT(予選会)2位で今季の出場権をつかんだ。「QTは満足すぎる結果。自分でもビックリです」と話したが、それまでの“下積み”を思えば最高の結果にもうなずける。
小学生の頃から「世界ジュニア」など数多くの国際試合を経験。ゴルフに力を入れるために高校から渡米し、オレゴン州立大に進学したが、3年時により良い環境を求めてネバダ大ラスベガス校に編入した。同大学OBにはアダム・スコット(オーストラリア)、チャーリー・ホフマンなど名選手が並ぶ。「ラスベガスにはプロが多いので、ミンウ・リー(オーストラリア)も一緒に練習したりする」と、腕を磨くには十分な環境だった。
昨年5月に大学を卒業すると、米ツアーの3部にあたるPGAツアー・アメリカズに参戦。主にカナダを転戦した半年間は想像以上に大変だった。東西を飛び回った総距離は優に5000kmを超える。「アメリカだと東海岸と西海岸の時差は3時間。カナダだと、さらに東の端っこまで行くから時差が4時間。そんなの初めて見た」と驚いた。
体力勝負の中、プロ1年目は試合にベストな状態を作る方法もわからなかった。「ルーティン探しにも苦労しました」と、9試合に出場したが予選通過は3試合だけ。一時は首位に立ちながら決勝に進めなかったこともあり、「レベルがすごく高くて。1打の重みや、ゴルフに向き合うメンタルの大切さも感じました」。悔しさを味わった半年間は、成長できた時間でもあった。
米下部コーンフェリーツアーの出場権を得られず、日本ツアーの予選会に挑戦。10月のファーストステージから全4ステージを勝ち上がってきた。今季の目標は、賞金ランキングトップ3に入って欧州ツアー出場権をつかむこと。開幕戦のスタートダッシュを思い描きつつ「高望みはしないで…。とりあえず一番ホールは緊張すると思うので、そこは冷静に」と、のんびり笑った。(三重県桑名市/谷口愛純)