【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆血統で振り返る大阪杯【Pick Up】ベラジオオペラ:1着 ロードカナロア産駒のベラジオオペラ、ロードデルレイがワンツーフィニッシュを決めました。ベラジオオペラは2年連続制覇で…

【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返る大阪杯

【Pick Up】ベラジオオペラ:1着

 ロードカナロア産駒のベラジオオペラ、ロードデルレイがワンツーフィニッシュを決めました。ベラジオオペラは2年連続制覇です。

 今年に入ってJRAで行われた3つのGIは、フェブラリーS(コスタノヴァ)、高松宮記念(サトノレーヴ)、大阪杯(ベラジオオペラ)と、すべてロードカナロア産駒が勝っています。ダート、芝短距離、芝中距離と、異なるカテゴリーを横断して勝ち馬を出したのは偉業でしょう。その父キングカメハメハもかつてはオールラウンド型種牡馬の代表のように語られましたが、息子のロードカナロアは以前に比べてそうした傾向が強まっているように感じます。

「ロードカナロア×ハービンジャー」は連対率38.0%、1走あたりの賞金額1213万円、勝馬率55.5%。ロードカナロア産駒全体の成績はそれぞれ19.6%、239万円、42.3%ですから、ハービンジャーを母の父に持つ配合の優秀性が際立ちます。父ロードカナロアのスピードと、母の父ハービンジャーが伝えるスタミナや成長力がうまくマッチするのでしょう。

 ファミリーは、エアシャカール(皐月賞、菊花賞)をはじめ多くの活躍馬が出ている名門アイドリームドアドリーム系で、社台ファームが輸入し、育ててきた名牝系です。母エアルーティーンはエアアンセム(函館記念)の半妹、2代母エアマグダラはエアメサイア(秋華賞、ローズS)とエアシェイディ(AJCC)の全妹、3代母エアデジャヴーはクイーンSの勝ち馬です。

◆血統で振り返るチャーチルダウンズC

【Pick Up】ランスオブカオス:1着

 父シルバーステートはエエヤン(ニュージーランドT)、ウォーターナビレラ(ファンタジーS)、セイウンハーデス(七夕賞)、リカンカブール(中山金杯)などの父。

 シルバーステートは現役時代、屈腱炎のためわずか5戦で引退。重賞の晴れ舞台を踏む前のことだったので、初年度の種付け料はわずか80万円(受胎条件)でした。ところが、決してハイレベルとはいえない繁殖牝馬を相手に優れた成績を残し、8年目の今年、種付け料は6倍以上の500万円に設定されています。ディープインパクトの後継種牡馬のなかではキズナ、コントレイルに次ぐ3位タイ(リアルスティールと同額)です。

 母方にダンスインザダークを持つシルバーステート産駒は成功しており、連対率25.5%、1走あたりの賞金額272万円、勝馬率58.3%。シルバーステート産駒全体の数字は、それぞれ15.2%、139万円、29.0%なので、成功確率の高い配合パターンであることがお分かりいただけると思います。シルバーステート産駒は、サンデーサイレンスとニジンスキーのクロスが双方成功しているので、「サンデー×ニジンスキー」の組み合わせのダンスインザダークが入る配合は上手くいくのでしょう。

 このパターンの配合は芝1600〜2000mで好結果を残しています。日本ダービーよりも皐月賞に向いた馬だと思います。