「広島7-6DeNA」(6日、マツダスタジアム) 鯉党から送られる惜しみない拍手とは対照的に、広島・森翔平投手の表情は晴れなかった。イニング途中の交代に、悔しさをにじませながらマウンドを降りる。5回2/3を5安打3失点。2勝目を手にしたが…

 「広島7-6DeNA」(6日、マツダスタジアム)

 鯉党から送られる惜しみない拍手とは対照的に、広島・森翔平投手の表情は晴れなかった。イニング途中の交代に、悔しさをにじませながらマウンドを降りる。5回2/3を5安打3失点。2勝目を手にしたが「しっかり投げ切りたかった。もったいなかった」と反省を忘れなかった。

 初回先頭から11人連続でアウトを奪う快調な立ち上がり。「球種全部、いい感覚で投げられていた」と三回には3者連続三振を奪った。打線も三回までに5点の援護をプレゼント。投打がかみ合った試合運びに、本拠地は圧勝ムードが漂っていた。

 しかし、五回に雰囲気が一変した。「ちょっと力み過ぎたというか、空回りした部分があった」と先頭から3連打を浴びるなどで3点を失う。六回も2死一、二塁のピンチを招いたところで、新井監督から交代を告げられた。バトンを受けた森浦が松尾を1球で左飛に打ち取り、火消しに成功。後輩左腕をベンチ前先頭で出迎え、感謝を伝えた。

 前回3月30日の阪神戦(マツダ)でも、八回途中で降板。すでに昨季を上回る2勝目をマークしたが「打線と中継ぎの方々に助けてもらってばっかりなので、感謝しかないです」と謙虚な姿勢は変わらない。「自分は試合に全力に臨むだけ。そこに関しては、いい準備ができていると思います」。勝って反省できるのは成長の証し。初の開幕ローテ入りを果たした4年目左腕の存在感が、日に日に増している。