【明治安田J1リーグ 第9節 横浜F・マリノスvs東京ヴェルディ 2025年4月5日14:03キックオフ】 撮影/原壮史(Sony α-1使用) ■「三冠ヘビー級王者」息子がホームデビュー 横浜F・マリノスでプロ初先発となったのは、センター…
【明治安田J1リーグ 第9節 横浜F・マリノスvs東京ヴェルディ 2025年4月5日14:03キックオフ】 撮影/原壮史(Sony α-1使用)
■「三冠ヘビー級王者」息子がホームデビュー
横浜F・マリノスでプロ初先発となったのは、センターバックの諏訪間幸成(21)。チームはここまで勝利が1つだけで、しかも2連敗という降格圏に沈む中での抜擢という難しいシチュエーションだったが、堂々としたDFリーダーぶりを披露した。
父は全日本プロレスの三冠ヘビー級王座を史上最多となる8度獲得しているプロレスラー・諏訪魔(48)。人間凶器、暴虐アリゲーターのニックネームで知られる父とは違い、サッカーの道を選んだ息子・諏訪間幸成は、マリノスユースからトップチームへの昇格はかなわなかったものの、筑波大学で1年生から開幕スタメンに。世代別代表にも選出され、3年生でマリノスの特別指定選手(2026シーズンからの加入内定)となった。
今年3月には、新4年生となるタイミングで大学の蹴球部を退部し、1年早くプロ契約を結ぶ決断をした。
2月のアウェイ・広島戦で87分からの途中出場という形でデビューを果たしてはいたが、初先発かつホーム・日産スタジアムでのようやくのプレーに、諏訪間は「アップ中からメチャクチャ楽しかった」と話していた。
染野唯月や木村勇大ら、強さを武器にボールを収める選手が流動的に動くヴェルディの攻撃に対し、冷静にミスなく、そして競り負けることなくプレー。防ぐだけでなく、前への意識も見せ、ヴェルディの攻撃陣にひるむことのない堂々としたプレーでフル出場を果たした。
2月のデビュー戦後に「チームに勝ち点をもたらすことができなかったのは反省」と口にしていた諏訪間。プロとしての初戦でもあった試合を終え、安堵と勝利できなかった悔しさの両方を改めて噛み締めていた。
■次戦は好調・川崎との「神奈川ダービー」
「ビルドアップで安定してプレーすることと、後ろが数的同数でも守れることで、前線が自信をもってプレスできるようサポートしたい」と、勝利への貢献をどん欲に目指すことを誓った。
試合は、互いにチャンスを作ることができない時間が長く続く展開。ファウルで途切れる場面が目立つ中で、サイドバックがコンビネーションでボールの位置を上げるものの、クロスやエリア内へのプレーの質に苦しみ、攻撃を完結させることができない。
井上健太が勢いを出そうと試みる場面もあったが、谷口栄斗をはじめとしたヴェルディ守備陣が単独での突破を許すことはなかった。
マリノスはジャン・クルードや遠野大弥、ヴェルディは齋藤功佑や平川怜が、中盤でボールを運ぶことと相手を潰すこととのトランジション(攻守の切り替え)をし続けて、主導権が存在しないまま試合は終盤を迎えた。
結局、最後までゴールは生まれず、スコアレスドロー。苦しい状況に変わりはないが、今後が楽しみな諏訪間幸成など若い力の台頭など、部分的にポジティヴな話題が出てくるようになったマリノス。
次戦は、好調・川崎との神奈川ダービー。連敗を止めたチームは、浮上のきっかけとしての結果を手にすることができるか。
■試合結果
横浜F・マリノス 0-0 東京ヴェルディ