◆大同生命SVリーグ 第22節 広島3-0東レ静岡(6日・このはなアリーナ) 東レ静岡がホーム最終戦で広島に0―3のストレートで敗れ、アウトサイドヒッター・米山裕太(40)の引退試合を勝利で飾れなかった。今季限りで19年の現役生活に終止符を…

◆大同生命SVリーグ 第22節 広島3-0東レ静岡(6日・このはなアリーナ)

 東レ静岡がホーム最終戦で広島に0―3のストレートで敗れ、アウトサイドヒッター・米山裕太(40)の引退試合を勝利で飾れなかった。今季限りで19年の現役生活に終止符を打つベテランが先発出場。7得点と活躍したものの、勝利に届かなかった。同日会場開催となったB2のベルテックス静岡は愛媛を82―58で下した。

 大声援に後押しされ、背番号5が強烈なスパイクをたたき込んだ。東レ・米山が引退試合で全盛期さながらのプレーをファンに見せた。開始早々にアタックで連続得点。「きのう途中出場で全然トスがこなかったけど、きょうはいきなり2つ来たので、セッターの酒井(啓輔)に『そのペースではもたないからもう少し考えろ』って言いました」。冗談を交えて現役最後の本拠での試合を振り返った。

 185センチとバレー選手にしては決して大きくない体。「攻撃力は高くないから守備を磨いた」。レシーブ力は日本屈指。現役時代にセッターだった阿部裕太監督(43)も「安心感、安定感は抜群」と褒めたたえた。30歳を迎えた頃、出場機会が減り移籍も考えた。だが、「愛着があったから」と結局、チーム一筋19年、東レ愛を貫いた。

 試合後の引退セレモニーでは、バレー仲間からビデオメッセージが流された。東レの同期で、すでに引退している富松崇彰さん(40)が花束を持ってコートに登場すると、涙を流した。サプライズで夫人と2人の息子がコートに現れ、手紙と感謝状に感極まった。

 リーグは今季2試合残っている。「今後は決まっていないけど、将来SVリーグの監督になって優勝することが目標です」。東レの鉄人がいつの日か指導者で戻ってくる。(塩沢 武士)

 ◆米山 裕太(よねやま・ゆうた)1984年8月29日、埼玉県生まれ、40歳。坂戸西高から日体大に進学。2006―07年シーズンに内定選手で東レに加入。11年の黒鷲旗選抜大会では優勝に貢献、最高殊勲選手にあたる黒鷲賞を獲得。09年に日本代表に選出され、10年のイタリアで行われた世界選手権に出場。23年には史上3人目のVリーグ400試合出場を果たした。185センチ、83キロ。家族は夫人と2男。