競馬に絶対はない―。そう強く肌で感じた。ショッキングだったのは、やはりドバイ・ワールドカップのフォーエバーヤングの敗戦。陣営も自信を持っており、まず負けないと思っていた。「勝たなければいけない馬で勝ち続ける難しさを感じました」と坂井騎手。…

 競馬に絶対はない―。そう強く肌で感じた。ショッキングだったのは、やはりドバイ・ワールドカップのフォーエバーヤングの敗戦。陣営も自信を持っており、まず負けないと思っていた。「勝たなければいけない馬で勝ち続ける難しさを感じました」と坂井騎手。レース前から「勝ちたいと、勝たなきゃいけないは全然違う」と話していただけに、重みがあった。

 一方で、感動のシーンもあった。ドバイ・ターフで、ソウルラッシュがロマンチックウォリアーを撃破。運良く陣営の近くで観戦できたため、ゴールの瞬間は「差した!?」と興奮が止まらなかった。池江調教師は意外にも海外G1初V。スタッフを「よく頑張った」とねぎらう姿に胸が熱くなった。

 ドバイ・シーマクラシックはダノンデサイルが勝利。馬券発売のある4つのG1のうち、唯一混戦模様だったレース。それだけに、強さに改めて感嘆した。安田調教師は派手には喜ばず、「今のところ無事にレースを終えられたことに安心しています」と冷静。常に馬ファーストな、若き指揮官の信念を見た。

 全レース終了後は、恒例のドローンと花火のショー。まばゆい光と爆音に包まれながら、刺激的な1週間に思いをはせた。最後に表示されたメッセージは「SEE YOU NEXT YEAR」。今回24頭の日本馬が疾走したメイダンで、またいつか胸が震えるレースを見たい。(水納 愛美)