◆明治安田J1リーグ▽第9節 町田2―2川崎(6日・Gスタ) 【川崎担当・岩原正幸】見ている人の心を打つシーンだった。川崎は後半28分にMF河原が同点弾を決めると、祝福の輪ができる中、MF脇坂が逆転を狙おうと一目散にゴールネットからボールを…

◆明治安田J1リーグ▽第9節 町田2―2川崎(6日・Gスタ)

 【川崎担当・岩原正幸】見ている人の心を打つシーンだった。川崎は後半28分にMF河原が同点弾を決めると、祝福の輪ができる中、MF脇坂が逆転を狙おうと一目散にゴールネットからボールを拾い上げ、センターサークルに駆け出した。その後は、後半25分に投入されていた前線3枚、FW山田、伊藤、宮城らを中心にゴールに迫ったが、勝ち越し点はならなかった。

 長谷部茂利監督は選手の出来に高評価を与えた上で、「最後、自分たちで流れを持ってきて、残り10、15分。もう1点を取って勝てるという流れだった。追い風も影響し、自分たちのファン・サポーターに向かって攻める状況もすごく良かった。追加点を取って3―2で勝つという形にできそうだったので残念」と悔しがった。

 主将の脇坂は試合中に右目付近を負傷し、試合後の川崎サポーターへのあいさつの列には加わらず、ピッチを後にした。前半にはMF橘田が町田MF仙頭からファウルを受け、右足首を痛めて開始15分でピッチを退いた。今季初先発のDFジェジエウは同33分に左太もも付近を痛めたようで、交代を余儀なくされた。DF佐々木は「ジェジエウの表情とか、見ていられなかった。出たくても出られない人もいる中で、ピッチに立っているみんながやらないといけない。いるメンバーで(けが人が)戻ってくるまで上位をキープしながらやりたい」と、チームの思いを代弁した。

 同点後すぐに脇坂がボールを取りにいった場面についても、佐々木は「上に行くには勝たないといけない。(相手の町田が)1つ上の順位だったので、勝たないとひっくり返らないので、そこは意識していた」と振り返った。ロングスローとクロスからゴールを割られ、今季初の複数失点となったが、後半に追いつき、逆転まで可能性を示したことは前向きなゲームだったと言えるだろう。

 長谷部監督は「けが人が出て残念、勝てなくて残念、この2つにつきる。ボールにプレーした中でけがをしたのだと思うが、連戦を控えている中で、大きなけがでなければいいと考えている」と無念さをにじませた。3月29日のFC東京戦からのリーグ7連戦は2勝1分けと好調。4月27日(日本時間28日)からは8強に進出するACLEがサウジアラビアで控える。総力戦のなか、中2日で神奈川ダービー(9日、横浜M戦・U等々力)を迎える。