◆国際親善試合 日本1―1コロンビア(6日、大阪・ヨドコウ桜スタジアム) FIFAランク5位のサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」は、ニルス・ニールセン監督の国内初陣として、同21位のコロンビア女子代表と対戦し、1―1で引き分けた。前半…

◆国際親善試合 日本1―1コロンビア(6日、大阪・ヨドコウ桜スタジアム)

 FIFAランク5位のサッカー女子日本代表「なでしこジャパン」は、ニルス・ニールセン監督の国内初陣として、同21位のコロンビア女子代表と対戦し、1―1で引き分けた。前半35分、コロンビアMFロレーナ・ベドヤからのクロスをFWカルラ・トーレスにヘッドで決められて失点。後半アディショナルタイムにPKのチャンスをDF高橋はなが確実に決めて、辛うじて引き分けに持ち込んだ。元日本女子代表FWの大竹七未氏は「収穫はMF松窪真心の台頭、課題はフリーでクロスを入れられたこと」と評した。その上で、2月のシービリーブス杯でFIFAランク1位の米国を破り初優勝した、なでしこジャパンの潜在能力を評価し、2027年にブラジルで開催される女子W杯での躍進を期待した。

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 新監督の国内初戦。日本女子サッカー界の将来を考えれば、国際親善試合とは言え、負けと引き分けでは全く違う。最後に追いついたことはよかった。

 この日の一番の収穫は、20歳のMF松窪真心だろう。途中出場で存在感を示した。足元の技術が高く、ファーストタッチがうまい。体のバランスもいいので、走りながらの胸トラップも正確。そして、ボールのないところでの動きの質もいい。相手DFから離れ、プレッシャーがない位置でボールを受けられるから、次の攻撃につながる。運動量もあるので、相手への寄せが速く、守備面でも貢献した。

 松窪の台頭は、同世代の浜野まいか、藤野あおばらに刺激になるだろう。DFでは石川璃音の成長に期待したい。彼女ら若手の成長が2年後のW杯に向けて重要になる。

 前半35分の失点シーンは今後の課題として残った。日本の左サイドからコロンビアのMFロレーナ・ベドヤにフリーでクロスを入れられた。フリーなら必ずいいボールが入る。90分のうち一度でも隙を見せたら、それが致命傷になる。世界一を目指すならば、90分間、徹底しなければならない。

 ニールセン監督がやろうとしていることは、少ないタッチ数で時間をかけずにゴールに迫るサッカー。まだ、代表の活動期間が短いので精度は高まっていないが、男子のA代表と同じく、なでしこジャパンも海外組が増えてニールセン監督と通訳を介さずに英語で直接、コミュニケーションを取れるようになっているので、今後、プレーの精度は上がってくることが期待できる。

 ただ、W杯まで2年は長いようで短い。組織として精度を高めること、個々の能力を上げること。両方が必要だ。(元日本女子代表FW、KNJフットボールクラブ代表)