◆高円宮杯U―18プリンスリーグ東海第1節 清水ユース4―2東海大静岡翔洋(5日・アイスタ) 開幕し、4試合が行われた。昨季王者の清水ユースは初参戦の東海大静岡翔洋を4―2で下した。前半4分、2種登録されトップでも試合出場しているMF土居佑…

◆高円宮杯U―18プリンスリーグ東海第1節 清水ユース4―2東海大静岡翔洋(5日・アイスタ)

 開幕し、4試合が行われた。昨季王者の清水ユースは初参戦の東海大静岡翔洋を4―2で下した。前半4分、2種登録されトップでも試合出場しているMF土居佑至(3年)が先制弾。一時は2点差を追いつかれたが、後半30分に土居が勝ち越しゴール、同アディショナルタイム(AT)にもダメ押し点を放り込み、沢登正朗監督(55)の母校(当時は東海大一)を振り切った。

 清水ユースのホープが、ど派手に船出を飾った。公式戦でのハットトリックは1年時の県Aリーグ・浜松開誠館B戦以来。プリンス連覇へ踏み出したチームを引っ張った土居は「ハットは良かったけど、個人的にはまだやれた」と浮かれた様子は一切見せなかった。

 アイスタの周囲を彩る桜のように“満開”のプレーを披露した。前半4分、GKとの1対1を迎えたが左足で冷静に先制弾。「落ち着いて決めることができた」。2点リードを追いつかれて迎えた後半30分には右サイドを抜け出し、左足で狙い澄ましたコントロールショット。「得意な形でした」と白い歯を見せた。

 同ATにもペナルティエリア内で受け、左で3発目を放り込んだ。ノルマに掲げた2ケタ得点に向け、これ以上ないスタートを切った。沢登監督は「トップに参加している余裕を感じられる」と母校撃破の立役者に拍手。敵将の太田恒治監督(51)も「8番はすごかった。異次元」と脱帽した。

 今季から2種登録され、トップデビュー戦となった3月末のルヴァン杯・相模原戦でゴールを決め、“持ってる”ぶりを見せつけた。三重・津市出身で、ユース入団に合わせて静岡へ。「高校に入った時からトップ昇格を考えてきた」と進路はプロ1本に絞っている。4日にはチームメートでU―17アジア杯に招集されているMF針生涼太がUAE戦で4―1の快勝に貢献。「悔しい思いがあった。そういった舞台で自分も活躍したい」。国際舞台で活躍する同級生の姿に、自然と心のスイッチが入った。

 次は12日、帝京大可児と対戦する。「得点にからんで勝利できれば」。プレミア復帰と自身のトップ昇格。二兎を追う1年が始まった。(武藤 瑞基)

 〇…東海大静岡翔洋はプリンス初勝利を逃したが、シュート数12―11と互角に打ち合った。前半19分、FW釜下諒(3年)がCKのこぼれに食らいつき、記念すべきチームのプリンス1号。後半13分にも右クロスをダイレクトで沈め一時同点に持ち込んだ。「(清水は)強かったけど自分たちのサッカーが通じるところもあった。こういうチームに勝っていかないと」。次節の磐田U―18戦で初白星を狙う。