◇米国女子◇Tモバイル マッチプレー presented by MGM Rewards 3日目(4日)◇シャドークリークGC (ネバダ州)◇6765yd(パー72)西村優菜が苦笑しながら明かす。「きょうは、もう“イチ、ニッ、サン”って数え…

西村優菜は初出場のマッチプレーを1勝2敗で終えた

◇米国女子◇Tモバイル マッチプレー presented by MGM Rewards 3日目(4日)◇シャドークリークGC (ネバダ州)◇6765yd(パー72)

西村優菜が苦笑しながら明かす。「きょうは、もう“イチ、ニッ、サン”って数えながら打っていたんです。ホントにゴルフを始めて、レッスンに行き出したころを思い出したような感じで…」。初歩的なテンポだけを意識することで、長く続くショットの不振から抜け出すヒントを求めた。

ショット復調の糸口を求めて

前週「フォード選手権」は会場にも帯同していた中島敏雅コーチと連絡を取り合い、ここまで日替わりのようにトライ&エラーを繰り返してきた。前週は理想とする2021年時のスイングのように、トップ小さくすることで気持ちよくボールをつかまえる感覚が戻りかけた。しかし、試合になると切り返しが早くなってクラブを下ろすスペースがなくなり、上体が起き上がってしまうミスが出る。左サイドの壁を意識して構えることをテーマにした時も「(スイング中に)それがなくなっちゃうんです…」

コーチからのアイデア出しは、いまの西村にとって欠かせないよりどころ。本来なら、自分の打ちたいボール、大きな目標を描いてスイングを積み上げていきたい気持ちもある。「ドローを打ったり、フェードを打ったり、低い球を打ったりしたい。でも、まずノーマルが打てないので。そこからなのかな」と話す。保持しているシード権以外の出場資格クリアが必要なメジャー切符の確保を考えると、目先のポイントをおろそかにできないのは確か。試合に出ながらの修正が求められる。

苦しくても下は向かない

初出場のマッチプレー大会は初日に世界ランキング6位のイン・ルオニン(中国)を撃破してから2連敗。最終戦はシャネッティ・ワナセン(タイ)に3&2(2ホールを残して3ダウン)で敗れた。ミドルレンジもチャンスと言えるパッティングは間違いなく好調だが、「本当は(リスクマネジメントで)保険をかけたいんですけど、その保険をかけたところに打てない」ショットの状態からピンチが増えて苦しくなった。

次週のオープンウィークも米国で調整。スイング時の身体の動きにフォーカスしていたところから、いったんリセットし、この3日目のようにテンポへの意識を高めて練習を重ねるつもりだ。「『AIG女子オープン』とかを考えると、(出場には)今年の成績がいるので。それまでには、どうにかしたい」と覚悟をにじませた。(ネバダ州ラスベガス/亀山泰宏)