東海大相模の福田は好投手。甲子園のマウンドも踏んでいる(C)産経新聞社 まさに「横浜一強」のスローガンに相応しい、圧倒的な勝利でした。 今春のセンバツ高校野球大会で19年ぶりに春の頂点へ上り詰めた横浜高校です。俊足強打の外野手・阿部葉太主将…

 

東海大相模の福田は好投手。甲子園のマウンドも踏んでいる(C)産経新聞社

 

 まさに「横浜一強」のスローガンに相応しい、圧倒的な勝利でした。

 今春のセンバツ高校野球大会で19年ぶりに春の頂点へ上り詰めた横浜高校です。俊足強打の外野手・阿部葉太主将(3年)を軸とした切れ目のない打線、最速146キロのエース左腕・奥村頼人(3年)に成長著しい最速152キロの2年生右腕・織田翔希と左右二枚看板が充実。村田浩明監督の采配も光り、「全員野球」で公式戦20連勝を成し遂げました。

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 次なる目標は村田監督の恩師でもある渡辺元智監督が1998年、エース・松坂大輔を擁して成し遂げた公式戦無敗の44連勝です。

 スポーツ紙のデスクは言います。

「今後の高校野球報道は、『どこが横浜高校を止めるか』が最重要テーマになっていくことでしょう。春季神奈川大会は4月3日に組み合わせ抽選会が行われ、神奈川の上位2校が茨城で開催される春季関東大会に駒を進めます。大切なのはあくまで夏。春は前哨戦なので、強豪校の中には勝利よりも『試す』ことを重要視する高校もある。それでも横浜高校はあくまで一戦一戦、勝ちに行くとみられます。センバツ期間中も鍛錬に明け暮れた神奈川県内のライバル校としては、格好の腕試しになりそうです」

 ズバリ、「ストップ・ザ・横浜」を成し遂げる可能性があるのは、どの高校でしょうか。

「昨夏の神奈川大会決勝で横浜高校に逆転勝ちを収めた東海大相模が一番手です。3年生エースの福田拓翔は最速150キロを誇る本格派で、昨夏の甲子園マウンドも経験している。プロ注目の好投手です。福田が万全の状態で登板すれば、横浜高校の強力打線といえども、大量得点は望めない。打線も、昨夏の神奈川大会決勝で横浜スタジアムの右翼ウイング席に“ウイング弾”を放った金本貫汰らタレントが揃います。横浜高校への苦手意識もなく、この両校が激突するとなれば、ハマスタの熱狂は間違いないでしょう」

「慶應高校も不気味です。一昨年の神奈川大会決勝では横浜高校に逆転勝ちして甲子園行きを決め、そのまま107年ぶりの全国制覇を成し遂げました。昨秋の神奈川大会では準々決勝の平塚学園戦に4-1と3点リードの9回、同点に追いつかれ、延長10回でタイブレーク負け。その悔しさを胸にこの冬、厳しい練習をしてきたそうです。持ち味の『考える野球』で柔よく剛を制する可能性も、ゼロではありません」

 桐光学園、向上、武相、横浜隼人、平塚学園など、夏の神奈川大会では「横浜一強」を食い止めようと、強豪校が虎視眈々と準備を進めています。激戦区・神奈川の夏は、ひときわ熱くなりそうです。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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