サッカーJ1で戦っているファジアーノ岡山が今春、岡山県内に人工芝グラウンドを相次いでオープンさせた。連携相手を自治体に…
サッカーJ1で戦っているファジアーノ岡山が今春、岡山県内に人工芝グラウンドを相次いでオープンさせた。連携相手を自治体にも広げ、学校跡地の利活用など地域貢献の新たな道を切り開いている。
2日、3月末で閉校した浅口市立寄島中学校の跡地で「ファジアーノ岡山スポーツパーク寄島」の完成式典があった。フルサイズのサッカーグラウンドとフットサルコート2面が取れる多目的グラウンドには毛足の長い人工芝が敷き詰められている。今年度から校舎を改修し、更衣室や事務室を整備する。
このグラウンドは昨年、浅口市が募集した寄島中学校跡地利活用事業に応募したことがきっかけで開設された。ファジアーノ岡山は、県西部に少ない一般向けの人工芝グラウンドとして活用すれば地域の活性化につながると提案。敷地約1万4千平方メートルと校舎などの建物を20年間無償で借りる契約を市と結んだ。閉校になった校舎の利活用はクラブ初の試みだという。
一般へ貸し出すほか、サッカースクールも今月開校。秋ごろには国内トップレベルのチームを招いた中学生年代の大会を開く予定という。将来は校舎を宿泊施設として改修し、大会開催時に活用することも検討している。
1日には、早島町立の宮山グランドで人工芝を敷いたグラウンドとクラブハウスがお披露目された。少年年代向けの縦70メートル、横50メートルのコートで、クラブハウスには更衣室やシャワールームを整備。試合では、中央の通路を抜けてセンターサークルに向かい、Jリーガー気分を味わえる構造になっている。
昨年7月に早島町と包括協定を締結。グラウンドを人工芝化し、クラブハウスを建設して町に寄付する代わりに、町のスポーツ施設の指定管理を20年間担う契約だ。今後は町の総合型地域クラブの運営を支援し、将来的な中学校部活動の地域移行につなげていく。
ファジアーノ岡山は2013年に岡山市が東区に建設した政田サッカー場の指定管理者になって以来、同市の体育施設や県総合グラウンドの指定管理、JR西日本所有地でのフットサルパークの建設などを手がけてきた。22年には、サッカーチームを運営する株式会社の経営状態にとらわれずに地域で活動できるよう、一般社団法人も設立。浅口市の事業は一般社団法人として取り組んだ。
Jリーグは百年構想に「あなたの町に、緑の芝生におおわれた広場やスポーツ施設をつくること」を掲げている。ファジアーノ岡山が手がけた人工芝グラウンドは昨年9月に早島町のクラボウ工場内に設置したグラウンドを含め計4例に。雨が降った後でもすぐに利用でき、毛足の長い人工芝を採用することで、けがややけどを防ぐ効果があるという。
一般社団法人の代表理事を兼ねるファジアーノ岡山の森井悠社長は「自治体との連携は長い時間をかけて進めてきたものが、この春に形になった。今後も何ができるか考えながら進めていきたい」と話している。(大野宏)