◇米国女子◇Tモバイル マッチプレー presented by MGM Rewards 3日目(4日)◇シャドークリークGC (ネバダ州)◇6765yd(パー72)プレーオフの1番で西郷真央は腹をくくった。バーディパットは7.5mの下りス…

西郷真央がプレーオフの末、日本勢唯一となる決勝トーナメントへ

◇米国女子◇Tモバイル マッチプレー presented by MGM Rewards 3日目(4日)◇シャドークリークGC (ネバダ州)◇6765yd(パー72)

プレーオフの1番で西郷真央は腹をくくった。バーディパットは7.5mの下りスライスライン。「ショートだけはしない」。グリーンスピードを見ながらロングパットは順手に変えて打つスタイルだが、「あれくらいの距離は、いつもクロスハンドで気持ちよく振れるんです」。6mほどまでしっかり打ち、あとはラインに乗っていくイメージ通りにカップに吸い込まれたボールを見てガッツポーズを作った。世界ランキング9位のユ・ヘラン(韓国)を破り、初出場のマッチプレーで決勝トーナメントに進んだ。

世界ランキング9位のユ・ヘラン(左)を破った

ここまで2連勝し、引き分け以上で突破が決まる“格上”とのグループステージ最終戦は1番から3ホール連続でアップとダウンを繰り返す一進一退の展開だった。最初のポイントは4番(パー5)。相手が右ラフからセカンドを刻み、チャンスを作り切れなかったホールで2オン成功からの3パットでパー。1.5mもないバーディパットがカップをなめ、「そこからちょっと流れが変わってしまった」。リードされても追いつく一方、リードすることはできないままホールを消化していった。

オールスクエアで迎えた15番ではグリーン左のラフから難しい寄せワンのパーセーブに成功した相手に、2オン3パットのボギー。1ダウンで今大会初の黒星を喫し、2勝1敗の獲得2ptで並ばれた。ショットの内容的に勝ち切れる手応えがあっただけに、「最初に『タイ(引き分け)でいいや』とスタートしていったからこその気持ちの弱さだったと思う」。反省しつつ、わずかなインターバルを挟んだプレーオフまでにはリセットして引きずらなかったのが強さだ。「正直、プレーオフをどこでやるのか知らなかったんです」と笑う。

ショットの状態が上がってきたのは心強い

正規のマッチもラスト2ホールは相手が必死にパーを拾う流れで、簡単に勝たせなかったことも大きい。そして、プレーオフで使った1番はこの日の朝、相手がセカンドをクリーク(小川)に落として西郷が獲っていたホール。「絶対にそこ(朝のプレー)には意識がいく。そういう意味では自分が有利だ、と」。ユのティショットが右ラフまで突き抜けた時点で、アドバンテージは決定的になった。フェアウェイから残り160ydを8Iで打ったセカンドでさらにプレッシャーをかけ、難敵を追い詰めた。

ベスト16に残り、決勝トーナメント1回戦で2月「ホンダLPGA」で優勝している世界ランク12位のエンジェル・インと対戦する。「今季優勝している選手で、一見、彼女の方が絶対に優勢だと思う。自分はチャレンジャーで、向こうは『勝たなきゃいけない』っていうマインドになるはず。いつも通りのプレーをしたい」。上位ランカーとの対戦に力を込めた。(ネバダ州ラスベガス/亀山泰宏)