蹴球放浪家・後藤健生は世界中で繰り広げるサッカー取材の道中で、多くの人と出会ってきた。そして、多くの珍獣とも出会ってき…
蹴球放浪家・後藤健生は世界中で繰り広げるサッカー取材の道中で、多くの人と出会ってきた。そして、多くの珍獣とも出会ってきた。そのインパクトは世界大会の記憶とともに、蹴球放浪家の脳裏に深く刻まれている。
■ジンバブエでの「一番の驚き」
前々回の「蹴球放浪記」でジンバブエの話をしましたが、ジンバブエで僕が一番ビックリしたのは、お土産用の超高額紙幣ではありませんでした。
南アフリカでのワールドカップが終わってから、僕がジンバブエのヴィクトリア・フォールズの街に着いて最も驚いたのは、街中を数多くの象が闊歩していたことです。
ヴィクトリア・フォールズ市は、世界三大瀑布の一つ「ヴィクトリア滝」の観光拠点で、世界中から観光客が集まってきます(「蹴球放浪記」第13回「滝を見に行く」の巻参照。「三大瀑布」はこのほかアメリカ・カナダ国境の「ナイアガラ」、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ国境の「イグアス」)。
ヴィクトリアの滝の向こう側はザンビアですし、ちょっと遠出をすればボツワナという位置関係にあって、各国には自然公園も点在しており、多くの野生動物を見ることもできます。
それで、街中にも野生の象が現われるのです。ホテルには「庭に野生の象が現われても騒がなければ危険はない」と注意書きがありました。象という動物はあれだけの巨体ですから野生動物の中でもかなり強い動物ですが、草食動物ですからむやみに襲ってくることはないのでしょう。
残念ながら、ホテルの庭には現われませんでしたが、街中には本当に多くの象が歩いていました。
■バンコクでも「チャン」と出会う
もっとも、街中で多数の象を見かけたのは、これが初めてではありませんでした。1998年のバンコク・アジア大会の途中で観光に行ったアユタヤの街でも多くの像が歩いていました。
アユタヤ(プラナコーンシーアユッタヤー郡)は、14世紀から18世紀にかけてアユタヤ王朝の都として栄えた街です。18世紀にビルマ軍によって滅ぼされてしまいましたが、当時の建物などが遺跡として残っており、歴史地区はユネスコの「世界遺産」にも登録されています。しかも、タイの首都バンコクからわずか50キロという至近距離にあるので、多くの観光客が訪れます。
そのアユタヤの街でたくさんの象が歩いているのを見かけて、驚いたことがあったのです。
タイには数多くの象が暮らしています。そもそもバンコク・アジア大会のマスコットも象でしたし、有名なチャン・ビールにも象のマークが使われていますよね。そもそも、「チャン」というのは「象」という意味(「象」という漢字の音読み)です。
もっとも、アユタヤの象は人の手で飼育されている家畜の象です。作業用にも使われますが、アユタヤの象はほとんどが観光用。観光客を背中に乗せて歩いています。
一方、ヴィクトリア・フォールズの街を歩いている象はほとんどが野生なのです。やはり、あれだけの大きな野生動物が街中を勝手に歩いているのには、驚かされます。
■犬や猫には「好かれるタイプ」
世界を旅していると、各地でさまざまな動物と出会います。ヴィクトリア・フォールズでのように野生動物と遭遇することもありますし、アユタヤのように家畜動物のことも、あるいは動物園での出会いもあり、ペットの犬や猫と触れ合うこともあります。
たとえば、2024年秋にUー17ワールドカップ観戦のためにインドネシアのバンドゥンに行ったとき、泊まっていたホテルの横の麺の専門店を訪れたときには、店の飼い猫が寄って来て僕の脚にずっとじゃれついていました。店の人が迷惑と思って連れて行ってしまったのですが、そのうち戻って来て、僕が食事している間ずっと体をこすりつけていました。
実は、僕は犬や猫のような動物には好かれるタイプなのです。あるいは、幼児になつかれることも多く、電車内で隣に座った子どもとジャンケンをしたり、シリトリをしたりすることもしょっちゅうあります。妙齢のご婦人に好かれるともっと良いのですが、残念ながらなついてくるのは動物と幼児だけのようです。