「巨人2-7阪神」(4日、東京ドーム) 不思議と回ってくる満塁の打席に、阪神・木浪聖也内野手は仲間の思いを感じ取った。2点リードで迎えた七回、前川がフルカウントから四球を選ぶと「みんながつないでくれた」と気持ちを高めた。心は熱く頭は冷静に…

 「巨人2-7阪神」(4日、東京ドーム)

 不思議と回ってくる満塁の打席に、阪神・木浪聖也内野手は仲間の思いを感じ取った。2点リードで迎えた七回、前川がフルカウントから四球を選ぶと「みんながつないでくれた」と気持ちを高めた。心は熱く頭は冷静に。1ボールからの2球目、146キロの直球を狙い打ちし、鋭い打球で三塁線を破った。

 「本当に…下位で満塁で回ってくるというのは、あまりない中で全員で回してくれた。なんとか打って点数を取ろうと思ったので、しっかり結果が残って良かったです」

 試合を決定付ける走者一掃の3点適時二塁打。二塁上からベンチに目を向けると、感情を爆発させる藤川監督の姿があった。チームは引き分けを挟んで3連敗中。シーズン序盤の流れを左右する一戦を制した。「満塁男」の異名を誇る30歳。通算60打数23安打で打率・383、54打点と無類の強さを誇る。秘訣(ひけつ)は-そんな問いに静かに笑った。

 「いや、そうじゃないですね。みんながつないでくれた、その思いが自分を打たせてくれている。しっかりと結果が残ったのは良かったです」

 感謝の思いが結果に変わる。六回に中前打、九回に左前打で今季初の猛打賞。7番でも、8番でもチャンスで回る打席を無駄にはしない。「1試合ずつ勝つことが大事なので、そこをしっかりと。ちゃんと自分の役割を確認して、準備して臨んでいきたいと思います」。攻守でチームの屋台骨を支える仕事人。満塁男がバットで流れを変えた。