「広島8-2DeNA」(4日、マツダスタジアム) 節目のアーチにも、DeNA・牧秀悟内野手に笑顔はなかった。三回2死一塁。森下の真ん中高めに浮いたカットボールを豪快に振り抜くと、打球は左翼席に吸い込まれた。プロ通算100号となる今季2号先…

 「広島8-2DeNA」(4日、マツダスタジアム)

 節目のアーチにも、DeNA・牧秀悟内野手に笑顔はなかった。三回2死一塁。森下の真ん中高めに浮いたカットボールを豪快に振り抜くと、打球は左翼席に吸い込まれた。プロ通算100号となる今季2号先制2ラン。「追い込まれていましたけど、いい形で打てたかなと思います」。会心の一撃だったが、チームはその後、逆転負けを喫し、白星で飾ることはできなかった。

 メモリアル弾を刻んだ心境を尋ねられても、牧は「特に気にしてないです」と口を真一文字に結んだ。球団生え抜きで入団5年目での100号到達は、桑田武、村田修一に次いで3人目の快挙。だが責任感の強い主将は、本塁打よりも四回の自身の失策を挙げ「しっかり勝てれば良かった」と反省の弁を繰り返した。

 昨季まで新人イヤーから4年連続20本塁打をマーク。本数の内訳は1年目から22、24、29、23。「今年は30本以上は打ちたい」と高みを目指すことを宣言している。主力打者として勝利に貢献することに価値を置く男は、アーチに対するこだわりが年々強まっている。この数字は通過点に過ぎない。

 ◆通算100本塁打 DeNA・牧内野手が4日の広島1回戦(マツダ)の三回に森下から今季2号2ランを放って達成。プロ野球309人目。初本塁打は21年3月31日のヤクルト戦で高梨から。球団生え抜きで入団5年目での100号到達は村田修一(2003年から25、15、24、34、36本で134本)、桑田武(1959年から31、16、25、22、25本で119本)に次いで3人目。牧は21年から22、24、29、23と毎年20本以上を放っていた。