クーパー・フラッグは、NBAドラフト2025で1位指名が確実視されている次世代のスター候補である。NCAAトーナメントではデ…
クーパー・フラッグは、NBAドラフト2025で1位指名が確実視されている次世代のスター候補である。NCAAトーナメントではデューク大学をファイナル4に導き、その完成度の高さは過去最高レベル。その証明として、パリオリンピック前にはアメリカ代表の練習相手にあたるセレクトチームに唯一、非プロ選手として選出され、アンソニー・デイビス(ロサンゼルス・レイカーズ)やバム・アデバヨ(マイアミ・ヒート)に対して堂々のプレーを披露していた。
その凄さについては多方面で報じられているものの、フラッグはどのような選手なのだろうか。『ESPN』は、指名を望むNBAのフロントオフィスに問い合わせ、フラッグと比較対象になる選手について質問を投げかけている。
デューク大学という共通点において、ウェスタンカンファレンスの某幹部は、昨年のNBAチャンピオンであるジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)の風格を感じている。最大の共通点として、“複数の成功ルート”を見出しており、仮にシュートが不調でも勝利における強烈な貢献度があり、並外れたオフェンスセンスや十分なサイズ、そして多様性など複数の観点から見ても、フラッグはテイタム同様のルートを辿るポテンシャルを秘めていると考察している。
身長やウイングスパンも限りなく近い両選手だが、大学時点での完成度はフラッグに軍配が上がる。テイタムは当時、ショットセレクションとパスに課題があったが、フラッグはチームファーストでシュートを選択することができ、40分換算のデータではテイタムより2倍以上のアシストを記録している。
フラッグが高く評価されている理由として、ディフェンスでの存在感にも言及せずにはいられない。ウェスタンカンファレンスに所属する別の球団幹部は、フラッフのディフェンスを「即戦力。サイズ、努力、IQの三拍子がそろっていて、すでにゲームチェンジャーになれる素質がある」と絶賛。そして、オフェンス面でも進化を続けており、その成長過程にカワイ・レナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)の影を重ねた。
ディフェンスからゲーム全体に及ぼす影響力について、フラッグはレナードに引けを取らない。また、その広い視野と予測能力から常に最適なポジショニングを確保することができ、3ポイントよりもアタック志向でミッドレンジにおけるフットワーク重視のスタイルも共通項と言えるだろう。
一方、イーストのとあるフロントは、その謙虚さやチームワークを重んじる姿勢にスコッティ・ピッペン(元シカゴ・ブルズほか)を照らし合わせている。現代のNBAで優勝を経験するためにはリーグで10本の指に入るようなパートナーが必要であり、この幹部は圧倒的な実力を兼ね備えながらも、マイケル・ジョーダン(元シカゴ・ブルズほか)の女房役に徹した6度のNBAチャンピオンのようになる未来が見えるとコメントしている。
フラッグとピッペンには、攻守の万能さや、ボールハンドリングに優れたポイントフォワードの役割などにおいても類似する部分が多く、ロスター構成やパートナーによっては史上最高の2番手になる可能性もあるだろう。
テイタムのオフェンス、レナードのディフェンス、そしてピッペンの献身性。フラッグは、ゲームの世界を疑いたくなるほど、手のつけようのないアルティメットな選手に成長してしまうかもしれない。
文=Meiji
【動画】クーパー・フラッグ 新世代の超万能選手 シーズンハイライト