◆大阪杯追い切り(2日・美浦トレセン) 第69回大阪杯・G1(6日、阪神)の追い切りが2日、東西トレセンで行われた。前走の中山記念などG2・3勝のシックスペンスが、美浦・Wコースでラスト1ハロン11秒4と鋭く伸びて最高評価「G」を獲得。「考…
◆大阪杯追い切り(2日・美浦トレセン)
第69回大阪杯・G1(6日、阪神)の追い切りが2日、東西トレセンで行われた。前走の中山記念などG2・3勝のシックスペンスが、美浦・Wコースでラスト1ハロン11秒4と鋭く伸びて最高評価「G」を獲得。「考察」担当のイシゴー(石行佑介)記者が、初コンビの横山武史騎手(26)=美浦・鈴木伸厩舎=が「車に例えると『オートマ』みたい」と評したキズナ産駒の動きについて分析した。
また一段すごみを増した姿があった。美浦・Wコースでの最終追い切り。最後の直線に入ったところで内から僚馬に忍び寄ったシックスペンスは、馬なりのまま馬体を併せにいく。追えばいつでもはじけそうな手応えでサトノトルネード(5歳2勝クラス)を並ぶ間もなく抜き去ると、1馬身先着して最終デモを完了した。初コンビの横山武騎手の手綱は最後まで動くことなく5ハロン65秒6、ラスト1ハロンは11秒4。前日から降り続く雨で、かなり力を要する馬場を考慮すれば、パワー&瞬発力を存分に感じることができた。
国枝調教師が「今までのなかでも一番いいんじゃないか」と称賛するのも納得。ラスト1ハロン11秒1(5ハロンは66秒0)をマークした1週前の瞬発力にも驚かされたが、それに勝るとも劣らない機敏さがあった。G2・3勝目を挙げた前走の中山記念は目いっぱいの仕上げには見えなかったが、体もグンと引き締まった印象。文句のつけようがない出来に映る。
初コンタクトの横山武も「車で例えると『オートマ』みたい」と指示に従順で、力みも見せない乗りやすさを強調した。阪神の2000メートルという機動力を求められる舞台にも「大丈夫かなと思います」と対応可能とのジャッジで、死角は限りなく少ないといえる。
その鞍上がとにかく“テン乗り”に強いデータも心強い。これまでのJRA重賞24勝のうち、11勝が初騎乗と勝負強さが際立つ。G1でも21年のホープフルSをキラーアビリティで制し、大舞台でしっかり結果を残している。折り合いを欠いたダービーから精神面での成長を遂げたキズナ産駒と、テン乗り巧者のコンビなら大崩れは考えづらい。(石行 佑介)
◆オートマ車 Automatic Transmission(自動変速機)の略で、アクセルを踏むだけで自動で適切なギアチェンジが行われる車のこと。AT車とも呼ばれる。対してオートマ車の普及以前は、手動でギアチェンジを行うマニュアル(MT)車が主流で関西ではミッションと呼ぶこともある。運転手がシフトレバーと足元のクラッチペダルで操作を行う。