「阪神6-6DeNA」(2日、京セラドーム大阪) 大きな一振りで流れを変えた。打球が左翼手の頭上を越えて芝生を跳ねる。阪神・大山悠輔内野手が11打席ぶりの安打で京セラドームを熱狂させた。「去年も対戦がありますし、しっかり準備をして入った。…

 「阪神6-6DeNA」(2日、京セラドーム大阪)

 大きな一振りで流れを変えた。打球が左翼手の頭上を越えて芝生を跳ねる。阪神・大山悠輔内野手が11打席ぶりの安打で京セラドームを熱狂させた。「去年も対戦がありますし、しっかり準備をして入った。しっかり結果が出て良かった」とうなずいた。

 逆転を許した直後、1点を追う六回。佐藤輝と森下の連打で1死一、二塁の好機に打席へ。「ここまで凡退が続いていたので、思い切って」と、変わったばかりの颯から低め直球を捉えて適時二塁打を放ち、同点に追いついた。

 1日まで2試合連続で無安打。この日も二回無死一塁は速球をはじき返したが、宮崎の好守に阻まれ三ゴロ併殺打となっていた。そんな中、放った価値ある一打は、3月29日の広島戦(マツダ)で3打席目以来の安打に。「結果が出て良かった」と安堵(あんど)した。

 七回も勝負強さを発揮した。森下が申告敬遠され2死一、二塁の好機で再び打席へ。初球に来た外角高めの154キロの直球を仕留めた。右翼線へダイビングキャッチを試みた三森の横に落ち、2点適時三塁打で2打席連続適時打を記録。「タイムリーを2本打ったのは自分の中ではプラス」と納得し、「その前にチャンスで凡退しているし、反省すべき点が多い」と反省も忘れなかった。

 ここぞの場面にめっぽう強い大山。そんな主砲にとっての一番のライバルとは-。「どんな投手が来ても自分がしっかり入れる準備をする。自分に勝てるかどうか、自分がどうできるか」。率直な答えは“自分自身”だった。

 相手が誰であれ、全員に勝ちたい。そのためには自分がどれだけ入念に準備を行えるかが大切。いかなる状況でも自身を追い込み、「相手によって準備が変わってくる」と臨機応変に整える。ここ一番の場面で集中力を発揮できる秘けつは試合前にあった。

 「チームが勝つか負けるかなので、今日は今日で反省して明日勝てるように準備していきます」。最善の準備で試合に臨み、勝ちにこだわり続けていく。