「阪神6-6DeNA」(2日、京セラドーム大阪) サヨナラか-阪神・森下が放った4本目の安打に、スタンドは歓喜と悲鳴が交差した。延長十一回、2死一塁で放った打球が、右翼前にポトリと落ちた。スタートを切っていた一走・中野が一気に三塁を回った…

 「阪神6-6DeNA」(2日、京セラドーム大阪)

 サヨナラか-阪神・森下が放った4本目の安打に、スタンドは歓喜と悲鳴が交差した。延長十一回、2死一塁で放った打球が、右翼前にポトリと落ちた。スタートを切っていた一走・中野が一気に三塁を回ったが本塁タッチアウト。あと一歩のところでホームが遠かった。

 「結局、勝てなかったので明日また(打線が)つながるように。次は勝てるよう、チャンスで打てるように頑張りたい」

 激戦を終えた試合後、懸命に前を向いた。前後で快音響く先輩に呼応するように、森下のバットも激しく火を噴いた。前夜に好機で打てなかった後悔を1日で晴らす4安打、1打点。今季初の猛打賞と固め打ちを見せた。佐藤輝、大山と担う新クリーンアップが初の打点そろい踏みで存在感を示した夜。4番が打線の中心で輝きを放つ。

 二回、右前打でチャンスメークすると、四回だった。佐藤輝の17打席ぶり安打が適時打になり、さらに1死二塁の好機で4番が続いた。大貫に対して追い込まれてからの3球目、外寄り高めの146キロを逆らわずにフルスイング。右中間を破る適時二塁打で勝ち越した。

 「クリーンアップでつながれば、誰かしらがかえしてくれる状況になる。そういう形で明日以降もやりたいなと思います」。4番とは-ここぞで打つのが仕事。自覚と覚悟の中で“打線”で戦う頼もしさを感じた。勝利への執念を体現した。4安打、5出塁。戦いはまだ、始まったばかりだ。