「阪神6-6DeNA」(2日、京セラドーム大阪) 最後は渾身(こんしん)のフォークで空振りを奪うと、思いきりガッツポーズし、ほえた。阪神の育成ドラフト1位・工藤(四国ILp徳島)は「(声は)勝手に出たって感じですね」と振り返る。それだけ緊…
「阪神6-6DeNA」(2日、京セラドーム大阪)
最後は渾身(こんしん)のフォークで空振りを奪うと、思いきりガッツポーズし、ほえた。阪神の育成ドラフト1位・工藤(四国ILp徳島)は「(声は)勝手に出たって感じですね」と振り返る。それだけ緊迫した場面だった。
名前がコールされたのは同点の十二回。「ゼロで行っていたので、最終回に点を取られるわけにはいかない」といつも通り力まないことを意識し、マウンドに向かった。この日2安打の先頭の三森を直球で遊飛に打ち取ると、見せ場はここからだった。
迎えたのは4番・オースティン。その3球目。わずかに外れたが、投じた直球はなんと自己最速タイの159キロをマークした。「NPBに入ってからは初ですけど、あんまり出たって感覚はなかった」と自覚はなかったが、「気持ちがこもってたんじゃないかなと思います」とここぞの場面で全力を発揮した。
そして4球目の158キロ直球でオースティンを右飛に。宮崎には右前打を浴びたが、「ランナーを返さないように」と冷静に代打・柴田をフォークで空振り三振に仕留め、切り抜けた。前夜も1回無安打無失点の好投。連投となったが「そんなに疲労はなかったです」と頼もしい。3月上旬に支配下になったばかりのルーキーがまたも大仕事をやってのけた。最後は「おやすみなさい」と取材を締めくくり、帰路に就いた。