「阪神6-6DeNA」(2日、京セラドーム大阪) ホーム初勝利はならなかったが、主砲が長いトンネルを抜けた。阪神・佐藤輝明内野手(26)が四回、右中間へ自身17打席ぶりの安打となる同点適時二塁打を放った。4試合で10三振と苦しんでいたが、…
「阪神6-6DeNA」(2日、京セラドーム大阪)
ホーム初勝利はならなかったが、主砲が長いトンネルを抜けた。阪神・佐藤輝明内野手(26)が四回、右中間へ自身17打席ぶりの安打となる同点適時二塁打を放った。4試合で10三振と苦しんでいたが、七回にも右前打を記録し、今季初のマルチ安打。延長十二回の死闘の末に今季初の引き分けとなった中、佐藤輝に森下、大山を含めたクリーンアップが躍動。デイリースポーツ評論家の岡義朗氏は「中野のアシストが佐藤輝の安打を生ませた」と指摘した。
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野球の面白さ、奥深さを感じたシーンだった。四回1死一塁で佐藤輝が右中間に同点の適時二塁打を放った場面。ここまで16打席連続無安打だった佐藤輝に久しぶりの安打を生ませたのは、中野のアシストによるものが大きいと見る。
一塁走者の中野は何度も走るぞ、走るぞという動きを見せ、それに伴って捕手の戸柱が盗塁を警戒して中腰の姿勢になるなど、相手バッテリーに佐藤輝との対決だけに集中しづらい状況を作っていた。
1打席目はストライクからボールになるフォークで空振り三振を奪っていたが、この打席はその球がストライクからストライクゾーンへと浮いた。元々、佐藤輝は半速球には強い打者ではあるが、この甘い球を投げさせたのも中野の貢献度だ。
佐藤輝は続く打席で初球のカーブを捉えて右前打。自分では調子が悪くないと思っていても、安打が出ないことで疑心暗鬼になってしまうことがある。中野とのコンビネーションによって生まれた一本の安打が、浮上のキッカケになる可能性は十分にある。