大関経験者の朝乃山(31)=高砂=が2日、大相撲夏場所(5月11日初日、東京・両国国技館)に向け、都内の部屋で汗を流した。亡き恩師の長男との対戦へ思いを語った。 昨年名古屋場所で左膝前十字靱帯断裂の重傷を負い、3場所連続全休から復帰した春…

 大関経験者の朝乃山(31)=高砂=が2日、大相撲夏場所(5月11日初日、東京・両国国技館)に向け、都内の部屋で汗を流した。亡き恩師の長男との対戦へ思いを語った。

 昨年名古屋場所で左膝前十字靱帯断裂の重傷を負い、3場所連続全休から復帰した春場所で、三段目を全勝優勝。1週間の休みを経て、今週から始動。「春場所がもう終わったこと。一番はケガなく終われたことですが、特別うれしいとかはない。もう次の場所に向いている」。この日は四股、すり足など基礎的な稽古に取り組んだ。

 夏場所では富山商時代の恩師で、2017年に死去した浦山英樹さんの長男、浦山秀誠(22)=音羽山=が幕下最下位格付け出しでデビューする予定。高校と近大の後輩でもあり、「中学生の頃は結構やんちゃでしたね」と古くから知っている。

 教員志望と聞いていたが「プロになると聞いて、昨年末に連絡したのが最後です」と話す。3月の入門会見等の内容は報道で知った。「もう別の部屋なので。当たることがあれば勝ちにいくだけ」。幕下に番付を上げる夏場所では対戦の可能性がある。一人の対戦相手として向き合う。

 師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)は「ケガなくやれて勝てたことは自信になると思う。力はある。勝ち続けてもっと自信をつけることが大切」と、復活を目指す弟子に視線を向けた。

 朝乃山は6日の富山市巡業ではトークショーに参加予定。「富山を秀誠と一緒に盛り上げていければ」と、故郷への思いは共有した。