4月3日から始まる高校日本代表候補合宿。今年9月に行われるワールドカップへ向けて、候補選手の実力を測る重要なイベントである。代表候補に名を連ねた選手はどんな選手たちなのか。まずはプロ注目の投手が揃う投手編だ。(辞退選手は除く)<右投手> 右…

4月3日から始まる高校日本代表候補合宿。今年9月に行われるワールドカップへ向けて、候補選手の実力を測る重要なイベントである。代表候補に名を連ねた選手はどんな選手たちなのか。まずはプロ注目の投手が揃う投手編だ。(辞退選手は除く)

<右投手>

 右投手では剛腕投手が揃う。ドラフト上位候補として注目を集めるのが森 陽樹投手(大阪桐蔭)だ。最速151キロの速球、130キロ後半のスライダー、フォークの精度は素晴らしく、この世代を代表するパワーピッチャーだ。練習試合での仕上がりも良く、3月には強力打線を誇る浦和学院との練習試合では1失点完投。対戦した浦和学院の打者からは「非常にストレートが速かった」という声が聞かれた。冬に取り組んできた成果を発揮できるか。

 森に次ぐ剛腕として期待されているのが藤川 敦也投手(延岡学園)だ。九州大会出場をかけて4月2日の準決勝に臨む。2日の準決勝に勝利すれば、今回の合宿の参加は厳しいが、この春では常時140キロ中盤の速球、スライダーを器用に投げ分ける投球を見せており、成長が見える。新井 瑛太投手(滝川)は最速151キロを誇る二刀流で、打者としても左打席から鋭い打球を飛ばす。新井は県大会出場をかけた地区予選に出場しており、4月3日から代表決定戦を迎える。参加が間に合えばスカウトから大きく注目を浴びそうだ。

 窪田 洋祐投手(札幌日大)は昨秋の全道大会では140キロ中盤の速球を投げ込んでいたが、打者としても鋭いスイングを見せ、長打性の打球を連発する二刀流。合宿では打者としてもアピールしたい。渡邉 颯人投手(智弁和歌山)はセンバツ決勝戦まで導いた投球術が持ち味。140キロ前半の速球、多彩な変化球を投げ分ける先発型の投手だが、実は野手としての能力も高い。下級生時は内野手としてのスタメン出場も多かった。プロを目指すために投手一本にこだわった。中学時代はU-15代表を経験し、力強い打撃を見せていた。この合宿は投打ともにアピールしていきたい。堀田 昂佑投手(広陵)は昨夏の甲子園を経験した本格派右腕で、140キロ前半の速球を投げ込む今年の広島を代表する本格派右腕だ。

 中野 大虎投手(大阪桐蔭)は昨夏の甲子園1回戦で完封勝利を記録した150キロ右腕。内外角に丁寧に投げ分ける投球スタイルで、ゲームメイクができる。木下 鷹大投手(東洋大姫路)はこのセンバツで147キロを連発して、一気にブレイクした本格派右腕で、代表候補も勝ち取った。

<左投手>

 今回は左投手9名と右投手の辞退分を除いた8名よりも多い。去年は16名中、5名しか左腕投手がいなかったため、左腕投手重視なのが分かる。下重 賢慎投手(健大高崎)はこのセンバツ4強入りの原動力となった実戦派。常時130キロ後半の速球、鋭く落ちるチェンジアップ、カーブを投げ分け打たせて取る。スタミナも豊富で、有力候補の1人だ。

 石戸 颯汰投手(浦和実)はセンバツで18回連続無失点を計測している技巧派左腕。常時120キロ台の直球、90キロのカーブを駆使した投球術は代表候補の打者たちにも通用するのか。

 中村 心大投手(早稲田実)は正統派の146キロ左腕。威力のある140キロ台中盤の速球は威力があり、直球主体の投球で押し切ることができる。

 坂本 慎太郎投手(関東第一)は野球センス抜群の好左腕。昨夏の甲子園でも好投を見せ、

 切れのある直球、スライダーを丁寧に投げ分け、ゲームメイクができる。野手としては抜群の俊足を活かした走塁とバットコントロールの良い打撃が光る。

 奥村 頼人投手(横浜)は最速146キロの速球、鋭く落ちるチェンジアップをコンビネーションとする本格派左腕。打撃も名門・横浜で4番を任され、センバツでは21打数8安打、4打点の活躍を見せた。

 143キロ左腕・江藤 蓮(未来富山)は富山県NO.1左腕として呼び声が高い本格派左腕だ。昨夏は富山大会ベスト4に導き、24回を投げ、21奪三振を記録した。体重移動も滑らかで、腕の振りも鋭く、正統派な左腕だ。

 昨夏の甲子園優勝左腕・西村 一毅投手(京都国際)は切れ味抜群の140キロ前半の直球、鋭く落ちるチェンジアップを武器とする本格派左腕。この3月に大学進学を表明したが、今年の高校生左腕では上位に入る投手として注目を浴びる存在だ。

 池﨑 安侍朗投手(明徳義塾)はセンバツの健大高崎戦で9回まで1失点の好投を見せていた技巧派左腕。左スリークォーター気味のフォームから130キロ後半の速球、120キロ台のスライダーを膝下に集め、痛打を許さない。この合宿でも存在感を示しそうだ。

 そしてスカウトから注目を集めているのが芹澤 大地投手(高蔵寺)。140キロ後半の速球は独特の伸びがあり、分かっていても高確率で空振りを奪うことができる。参加した投手の中では唯一の公立校投手で、同級生の投手の中が集まる中でも格の違いを見せることができるか。