青学大を卒業し、GMOインターネットグループ(GMO)所属のプロランナーとなった太田蒼生(あおい、22)が1日、東京・世田谷区で行われた合同入社式に出席した。28年ロサンゼルス五輪マラソン金メダルを目標に掲げる太田は、9月のベルリン、来年…

 青学大を卒業し、GMOインターネットグループ(GMO)所属のプロランナーとなった太田蒼生(あおい、22)が1日、東京・世田谷区で行われた合同入社式に出席した。28年ロサンゼルス五輪マラソン金メダルを目標に掲げる太田は、9月のベルリン、来年3月の東京で、新制度の「ファストパス」(2時間3分59秒以内)で日本代表を狙うプランを持つ。個人で活動するため、GMOが得意とする生成AIを活用した練習メニューを参考にする考えも明かした。この日は多くのアスリートが入社式に出席した。

 青学大で箱根駅伝を4年連続で快走し、3度優勝に貢献した太田は、今季からGMO所属のプロランナーとして、箱根より高い山を目指す。プロであると同時にGMOの契約社員という立場の22歳は、入社式で「社会人として始まりました」と表情を引き締めた。

 3月に東京世界陸上(9月)の代表を目指して東京マラソンに初挑戦した。36キロで途中棄権に終わったが、前半は世界のトップランナーと先頭集団を走り、存在感を発揮。レース後には「五輪で金メダルを取るために一歩踏み出せた。3年後には五輪で勝ちます」などと意欲的なコメントを残した。

 28年ロス五輪マラソン金メダルという究極の目標に向けた青写真を描いている。まずは新制度「ファストパス」の活用だ。27年3月までに男子は2時間3分59秒、女子は2時間16分59秒を突破した最上位選手は、同年秋に開催される代表選考レースを待たずに代表に内定する。この日、太田は「(高速レースの)ベルリンでファストパスを狙います。来年の東京では今年のリベンジしたい」と、新社会人としての決意を述べた。

 入社式ではGMOの熊谷正寿代表(61)が、生成AIを複数組み合わせた有効な活用方法などを新入社員に説いた。GMOでは生成AI比較検索サービス「天秤(てんびん)AI」などを展開している。指導者につかず、個人で活動することを選択した太田は練習メニューを自身で立てる。生成AIの活用については「参考になると思います。試してみたい」と前向きに語った。

 「マラソンで2時間3分59秒以内で走るための練習メニューは?」「28年ロス五輪マラソンで金メダル獲得のための強化プランは?」などと生成AIに問えば斬新な回答が得られるかも? 箱根路では常に予想を超える活躍を見せてきた太田は、これからも破天荒な走りを続けていく。(竹内 達朗)

 ◆太田 蒼生(おおた・あおい)2002年8月26日、福岡・篠栗町生まれ。22歳。大牟田では全国高校駅伝1年6区10位、2年4区6位、3年1区10位。21年、青学大コミュニティ人間科学部に入学。箱根駅伝は1年3区2位、2年4区2位、3年3区区間賞、4年4区区間賞。1、3、4年時に優勝。今年の箱根後に婚約を発表。自己ベストは5000メートル13分53秒10、1万メートル28分20秒63。176センチ、56キロ。

 ◆GMOインターネットグループ 1991年、熊谷正寿代表が前身の「ボイスメディア」を設立。2001年「グローバルメディアオンライン(現GMOインターネットグループ)」に社名変更。陸上部(男子長距離)は16年に創設。今年元日の全日本実業団駅伝でチーム史上最高の4位。今年9月の東京世界陸上男子マラソン代表に吉田祐也(27)が選出された。青学大の原晋監督(58)がEKIDENダイレクターを務める。日本女子プロゴルフで昨季ポイントランク30位の脇元華(27)は所属契約選手。

 ◆28年ロス五輪マラソン日本代表への道 選考レースのMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)は27年秋開催予定。25年3月10日~27年3月中旬のMGCシリーズで条件を満たした選手が出場できる。MGC前に「MGCファストパス」、MGC後に「MGCファイナルチャレンジ」があり、それぞれの条件を満たすことで代表に内定する。該当する選手がいない場合、MGC2位、あるいは同2~3位が代表に内定。