■磐田の勝利につながった「守備の強度」【J2リーグ第7節 3月30日 15時03分キックオフ 磐田 1ー0 仙台 ヤマハスタジアム(磐田)】 戦国J2と言われるとおりの混戦模様である。J2リーグは3月30日に第7節が開催され、開幕から6戦…
■磐田の勝利につながった「守備の強度」
【J2リーグ第7節 3月30日 15時03分キックオフ 磐田 1ー0 仙台 ヤマハスタジアム(磐田)】
戦国J2と言われるとおりの混戦模様である。J2リーグは3月30日に第7節が開催され、開幕から6戦全勝だったジェフユナイテッド千葉が敗れた。J1から降格してきたジュビロ磐田が、ホームで千葉を1対0で退けたのである。
前半6分に先制した磐田は、自陣からパスをつないでいくスタイルで、千葉のプレスをかわしていった。試合は1対0のまま推移していき、60分過ぎからは両チームのベンチが交代カードをどんどんと切っていく。千葉の小林慶行監督は、79分までに5枚の交代枠を使い切った。
千葉はここまでの6試合で、すべて複数得点を記録している。総得点17のうち10点は後半に決めている。それに対して磐田は、過去6試合でクリーンシートは2節のサガン鳥栖戦の1試合にとどまる。総失点9のうち8点までは、61分以降だ。前節のベガルタ仙台戦では、2対0から2対2に追いつかれている。無失点のまま終了のホイッスルを聞くことができるかどうかは、今後の戦いを見据える意味でも重要なポイントとなる。
無失点でしのぐとの意思を感じさせる、いくつかの象徴的なプレーがあった。ひとつ目は90+1分だ。ジョルディ・クルークスが相手GKにチェイスし、キックを規制してマイボールのスローインとした。ここまで4アシストを記録しているベルギー人MFクルークスは、前半から献身的なディフェンスで最終ラインを助けていた。
90+2分には途中出場のMF為田大貴が、敵陣でパスカットをしてビルドアップを阻んだ。前半から守備の強度を示し、交代選手の起用で強度を維持したことで、磐田は1対0のまま終了のホイッスルを聞くことができたのである。
■鳥栖と札幌は低空飛行が続く
7節までを終えたJ2リーグは、6勝1敗の千葉が勝点18で首位をキープし、RB大宮アルディージャと磐田が5勝2敗の勝点15としている。得失点差でRB大宮が2位、磐田が3位となっている。
4位のV・ファーレン長崎は、今節にシーズン初黒星を喫した。藤枝MYFCに2対3で競り負けた。CBエドゥアルド、MFマテウス・ジェズス、MFマルコス・ギリェルメ、FWエジガル・ジュニオ、FWフアンマ・デルガドというJ1規格の外国人選手を揃える長崎だが、7試合で9失点と守備が不安定な印象だ。
順位表のボトムハーフを見ると、J1から降格してきた2チームがいまだに浮上のきっかけをつかめていない。サガン鳥栖が2勝1分4敗で16位、北海道コンサドーレ札幌が2勝5敗で17位となっている。
鳥栖は3連敗のあと2勝1分と勝点を重ねたが、今節はロアッソ熊本に1対3で敗れた。熊本もここまで2勝1分3敗で同勝点だった。大木武監督のチームは勢いに乗ると強さを発揮するが、力負けをした格好となっている。
札幌は4連敗のあとに2連勝したが、今節はホームでヴァンフォーレ甲府に0対1で敗れた。こちらは0対1と僅差の敗戦だが、試合内容で甲府に劣っている。
全38節のJ2リーグでは、J1昇格への勝点の目安がある。そのひとつとして、7試合をひとつのブロックとする考え方がある。7試合で勝点15を稼げば、5つのブロックの合計勝点は「75」となる。残り3試合でプラスアルファの勝点を上積みできれば、J1自動昇格圏に届くというものだ。
近年のJ1自動昇格チームをみても、ほぼ漏れなく勝点75以上を記録している。「7試合で勝点15」は、J1昇格の目安と考えていいだろう。
開幕からの7試合でこの目安をクリアしたのは、千葉、RB大宮、磐田の3チームだ。
さて、2つ目のブロックはどうなるか──。