ボクシングの４団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥（３１）＝大橋＝が３１日、都内で行われた２０２４年度の年間表彰式に出席した。７年連続８度目の最優秀選手賞を受賞し、壇上のスピーチ中には同席していたＷＢＣ世界バンタム級王者の中谷潤人…

　ボクシングの４団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥（３１）＝大橋＝が３１日、都内で行われた２０２４年度の年間表彰式に出席した。７年連続８度目の最優秀選手賞を受賞し、壇上のスピーチ中には同席していたＷＢＣ世界バンタム級王者の中谷潤人（２７）＝Ｍ．Ｔ＝に対し「中谷君、１年後の東京ドームで日本ボクシングを盛り上げよう」と来春の対戦を直接呼びかけ、中谷も「やりましょう」とガッチリ握手。待望論が湧き起こっているパウンド・フォー・パウンド（階級を超えた最強ランキング１０傑）の無敗王者同士の夢の頂上決戦が実現に前進し、会場にどよめきが走った。

　大橋ジムの大橋秀行会長（６０）も笑みを浮かべて一部始終を見ていたが、尚弥の行動について「俺は（事前に）知らなかった。俺もえっ！？って顔で聞いていて、（控室に）戻ってから『聞いてないよ』って言った」という。東京ドームという会場名も初めて明らかになったが、「事前に確認したら俺がダメダメと言うと思ったんじゃない？でも、全然悪いことじゃない。本人も中谷選手も認め合っているし、尊敬し合っているので。そういう戦いは喜ばしいこと。この２人は日本の大スターだし、（盛り上げようとする）自覚はすごい。僕はうれしいです」と歓迎した。

　スーパーバンタム級での実現が見込まれる日本人同士の夢の頂上決戦について、大橋会長は「今（同時代に）生きている伝説的な人と戦わない手はない。最高の（カードで）歴史に残る。ボクシングの９０年近い歴史で、初めて２人ともＰＦＰに入っているし、世界でも注目される」と断言。プロモーターとしても大仕事となるが、「この試合を実現しないとボクシングの未来はない」と自負と責任感を込め、「子供とか（後進への競技普及の）大きな起爆剤になる。（この一戦を機に）五輪のメダルを取ったり、ＰＦＰに入る日本人も当たり前に出てくるので、（この一戦で夢を見せるのは）２人の大きな役目だと思う」と期待を込めた。