ボクシングの年間表彰式が31日、都内で行われた。4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(31)=大橋=が7年連続8度目の最優秀選手賞を受賞し、壇上のスピーチ中には、同席していたWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(27)=M.T=に…

 ボクシングの年間表彰式が31日、都内で行われた。4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(31)=大橋=が7年連続8度目の最優秀選手賞を受賞し、壇上のスピーチ中には、同席していたWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(27)=M.T=に対して「1年後の東京ドームで日本ボクシングを盛り上げよう」と対戦を直接呼びかけ、中谷も「やりましょう」と呼応し握手を交わす一幕があった。夢の頂上決戦が一気に現実味を帯びる突然のサプライズ予告に会場は騒然となったが、壇上で同席した世界王者も驚きや嫉妬など、さまざまな反応を示した。

 WBC&WBA世界フライ級統一王者の寺地拳四朗(33)=BMB=は「あれはすごくサプライズたった。僕もすごく驚いた」と明かし、自身もWBC世界スーパーフライ級王者の“バム”ことジェシー・ロドリゲス(米国)らとのビッグマッチ実現を目指しているだけに、「(自分も)東京ドームとかでいずれできれば良いなと思いますね」と刺激を受けた様子だった。

 殊勲賞を受賞したWBA世界バンタム級王者の堤聖也(29)=角海老宝石=は最も複雑な表情で見ていた。MVPの尚弥、技能賞の中谷とは「三賞」の3人で記念撮影に応じていたが、渦中の2人のツーショット撮影の要望もあり、途中で退出を求められた。「僕だけ途中ではけて、尚弥君と中谷君が(壇上に残って)。やっぱ、ああいうのは悔しくなる。関係者、ファンが望んでいる未来を全部ぶっ壊したいなと、そういう気持ちはやっぱ出る」と、ジェラシーに燃える率直な心情を吐露。一方で客観的な立ち位置も理解しており、「僕がこの1年でそれができるかというと、まだその位置にはいない。自分でわかるから、仕方ないし、あの一瞬ですごく悔しい気持ちになった」と明かした上で、来春までの中谷戦にも意欲を示しつつ、「ぶっ壊せるならぶっ壊したい。僕が(中谷と)戦って勝てば色々とぶっ壊せるし。ただ、現実的な意味で今(中谷に)敵うかというと、そうでもない。だから悔しいし、目指すべきところはそこ(統一戦)」と唇を噛みしめた。

 また、努力・敢闘賞を受賞したWBOアジア・パシフィック・バンタム級王者の那須川天心(26)=帝拳=は、壇上での一幕に「日本で盛り上がっている2人が『お、やるんだ』って感じで。別にそこに対して、僕は(同じ)競技者なので、自分は自分のやるべきことをやるだけだと」と淡々。「盛り上がりはすごく感じている。やっぱりボクシングは格式の高いスポーツで、(自身の役割は)自分の活躍で若い人に知ってもらうっていうのもある。もっとボクシングを好きになってくれるようなことをやりたい」と、夢の頂上決戦による追い風を受け止めていた。