日本ボクシング界では初となる2階級同時制覇の快挙は両者ともに前代未聞の出血を伴うまるでサバイバルのような展開に。10ラ…
日本ボクシング界では初となる2階級同時制覇の快挙は両者ともに前代未聞の出血を伴うまるでサバイバルのような展開に。10ラウンド終了時には元2階級王者の畑山隆則氏でさえ「これ止めないのか? やばくない?」とドン引きする衝撃の光景に「止めろよこれは」「ドクターストップだろ」などファンからも不安の声が相次いだ。
3月29日、愛知国際展示場で開催された「3150×LUSHBOMU vol.4」DAY1のメインイベントで、IBF世界ライトフライ級王者・矢吹正道(LUSH緑)が壮絶な戦いの末に歴史を刻んだ。同ベルトを保持したまま、IBF世界フライ級王者アンヘル・アヤラ(メキシコ)に挑み、12回TKO勝利。日本人として初めてライトフライ級とフライ級の2階級同時制覇を達成。試合はバッティングにより両選手が大きくカットし血がリングを染める激しい流血戦となった。
矢吹は開始直後からジャブを確実に当て、1回終了間際にはフックからクロスへと繋ぎ、左フックのカウンターで無敗の王者アヤラをマットに沈める衝撃的なダウンを奪うなど上々の滑り出し。第2ラウンドでも、矢吹は右カウンターで再びダウンを奪い、完全にペースを掌握。しかし、3ラウンドで偶然のバッティングが発生。試合の流れが一変する。矢吹は右目下を大きくカットし、アヤラも眉付近を切るなど、両者が出血しながらの過酷な展開に。ファンからは「これはあかん」「これは深いだろ」といった声も漏れたが、試合はそのまま続行された。
4回以降、アヤラは長いリーチを活かして反撃に転じ、矢吹の血に染まった顔面に左ジャブや右クロスを打ち込み、ボディへの攻撃も鋭さを増す。観客からは「まるでプロレスの血の量」「心配になる出血量」といった悲鳴も上がる。5回にはロープ際で矢吹を捕らえるなど、無敗王者の意地を見せて盛り返す。一方の矢吹は、アウトボクシングで被弾を最小限に抑えつつ冷静に対応。6回にはボディへの左フックで応戦し、ポイントを大きくリードしたまま終盤戦へと突入していった。
10ラウンド終了時、インターバル中にアヤラの出血が再び悪化。鼻から大量の血が噴き出すと、ABEMA解説を務めたWBA世界スーパーフェザー級とWBA世界ライト級の2階級を制した畑山隆則氏は「むっちゃ酷いな、ぱっくりいっちゃってるね…これ止めないのか? やばくない?レフェリーも見に来ないもんね。結構深いよ、メキシカンの方も」と驚きを隠せず。ファンからも「止めろよこれは」「ドクターストップだろ」「なんで止めないの」との声が上がり、解説の亀田大毅も「ここまで来たらやらせてあげたい気持ちもあるが、レフェリーがチェックにも来ない……」と首をかしげるような状況に。
それでも11ラウンドに突入。矢吹は右アッパーで集中力を欠き始めたアヤラをぐらつかせ、ボディと顔面に血まみれの連打を浴びせる。亀田が「もうアヤラは(血で前が)見えてない、危ないです」と警鐘を鳴らす中、アヤラは気力だけで前に出続けた。
そして迎えた最終第12ラウンド。矢吹はセーフティーに試合をコントロールしつつ、残り1分半で右フックを振り抜き、三度ダウンを奪取。立ち上がったアヤラに会場からは「止めろ」「アヤラ立つのかよ」「出血やばいって」と悲鳴が飛ぶ。矢吹は血飛沫を上げながら最後のラッシュを仕掛け、左右のパンチが炸裂。ついにレフェリーがアヤラを抱きかかえるようにして試合を止め、12回TKOの劇的決着となった。
ライトフライ級王座を保持したまま、フライ級王座も手にした矢吹に会場は大歓声。一方、敗れたアヤラにも観客から「根性があるな」「すごい死闘だった」「アヤラ頑張ったけど力尽きたか…」といった労いと称賛の声が多く寄せられた。SNS上でも、「こんな熱い流血戦は見たことない」「血まみれのKO劇に震えた」と絶賛のコメントが飛び交う一方、「ここまでやる必要あった?」と、過激さに戸惑う声も見られ、賛否が分かれる試合となった。
こんな展開で、こんな結末になるというのも面白さではあるが…と話を振られた畑山氏は「そうですね」と苦笑しながら「序盤であれだけバッティングで切りましたのでね。どうなることかと。4ラウンド以内で終わっちゃうとドロー。最悪の結末だけはと…12ラウンドまでやれて、よかったですね」と両者無事に戦い抜いた結果での矢吹の戴冠にホッと胸をなでおろした。加えて亀田氏は「お互いこれからもボクシング人生あるんですけど、後遺症残らないといいですね」と案じた。
なお、勝利者インタビューに臨んだ矢吹はファンや関係者にお礼の言葉を述べると、KO率8割でここまで負けなしだったアヤラの印象を問われ「パンチ力はありましたね。狙われているところもあったので、迂闊に入れなくて。予想通り強い選手でした」と対戦相手のアヤラに敬意と賛辞を贈った。
さらに「カットもあって、途中からずっと見えなくなっちゃって。右足も攣っちゃったんで行くにも行けなかったんで…しょうもない試合をしてしまいました」と反省の弁も。
またこの試合に向けた思いとして「今いるアマエリートや井上(尚弥)チャンピオンみたいに強くないので、“一戦必勝”。一戦一戦がゴール。今日も勝ったことがゴールだと思っているのでよかったです」と本音ものぞかせた。