◆プロボクシング▽WBC世界ミニマム級(47・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇王者メルビン・ジェルサエム(判定)同級1位・重岡優大●(30日、愛知県国際展示場) 前王者で同級1位の重岡優大(27)=ワタナベ=が、同級王者メルビン・ジェ…
◆プロボクシング▽WBC世界ミニマム級(47・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇王者メルビン・ジェルサエム(判定)同級1位・重岡優大●(30日、愛知県国際展示場)
前王者で同級1位の重岡優大(27)=ワタナベ=が、同級王者メルビン・ジェルサエム(31)=フィリピン=に0―3の判定で敗れた。昨年3月31日の2度目の防衛戦で判定負けして王座を奪われた宿敵との再戦で、王座返り咲きはならず。弟の前IBF世界ミニマム級王者・重岡銀次朗(25)=ワタナベ=が5月24日に王者ペドロ・タドゥラン(28)=フィリピン=とのダイレクトリマッチに挑むことがこの日、発表された。兄の無念は、弟が晴らす。
1年分の思いを拳に込めたが、届かなかった。重岡優は、控室に戻るなり「弱かったなぁ、オレは…」と天を仰いだ。前回対戦で2度のダウンを奪われたノーモーションの右に、またしても苦しめられた。
3回に右を食らい「一発で右目が二重に見えるようになって、眼窩(か)底だなと。どこにいるか分からなくなった」。それでも最終回まで逆転を信じて攻め続けた。「負けてたまるかと。諦めなかったことが、唯一オレの成長できたところです」と自嘲した。
今後については「もう(階級を)上げるしかない。どうせ引退はしないっしょ」と、ライトフライ級に転向する意向を示した。「マジ、もっと強くなる」と涙を見せた敗戦から1年。この日は「この前よりも悔しくないのが悔しい」と涙はなかった。「やることはやってきたしなぁ」。王座奪還達成は弟に託し、新しい夢に突き進む。(勝田 成紀)