◆第55回高松宮記念・G1(3月30日、中京競馬場・芝1200メートル、良) 春のG1シリーズ開幕戦、第55回高松宮記念は30日、中京競馬場で行われ、2番人気のサトノレーヴ(モレイラ)が直線で力強く脚を伸ばし、G1初制覇を飾った。昨年のスプ…

◆第55回高松宮記念・G1(3月30日、中京競馬場・芝1200メートル、良)

 春のG1シリーズ開幕戦、第55回高松宮記念は30日、中京競馬場で行われ、2番人気のサトノレーヴ(モレイラ)が直線で力強く脚を伸ばし、G1初制覇を飾った。昨年のスプリンターズSで1番人気(7着)に推され、前走の香港スプリントは3着に入った実力馬が3度目のG1挑戦でタイトルをつかんだ。

 自慢の豪脚で風を切り裂いた。最後の直線。サトノレーヴは馬群のなかでじっと脚をためていた。残り250メートル。壁になっていた馬が内に進路を取り前が開くと、モレイラは満を持して外に持ち出した。鞍上のアクションが激しくなると同時に、切れ味を増していく末脚。上がり3ハロン33秒4でナムラクレア、マッドクール、ルガルといったライバルたちを完封し、G1初制覇のゴールを駆け抜けた。

 短期免許での騎乗開始週で、さっそくビッグタイトルに導いた“マジックマン”モレイラは、今回がコンビ3戦目。「直線の向かい風に影響がないように、途中まで壁をつくっていった」と風がカギになると読んでの手綱で「スペースができるとしっかり反応してくれて、プラン通りの競馬ができた」と笑顔を見せた。10、11年に連覇を果たしたキンシャサノキセキに続く同レース3勝目を挙げ、安田隆行元調教師に並びトップタイとなった堀調教師=写真=も「里見会長、モレイラ騎手とまたこうしてG1を勝てて、感無量です」と相好を崩した。

 我慢の時を過ごしたからこそ、この結果につながった。22年10月の2勝クラス突破後と、23年4月のオープン入り後に仙骨と腸骨をつなぐ仙腸関節を痛め、後肢のバランスが崩れた。それを戻すために、それぞれ約7か月、約10か月の時間を休養に充てた。トレーナーは「競馬に使うだけなら可能だったが、完全な状態となると、これだけの時間がかかった。馬もストレスがかかって大変だったと思う」。復帰を焦らず、馬を第一に考えて6歳での栄冠をつかんだ。 次走の照準となるのは、招待を受諾済みのチェアマンズスプリントプライズ・G1(4月27日、シャティン競馬場)だ。「初めて乗った時(24年春雷S)から、毎回乗るたびに馬が全体的にレベルアップしている。ゴール手前の力強さというところに一番成長を感じる」とモレイラ。最大の強敵となるのは前走で敗れたG13連勝中の香港短距離界最強馬カーインライジングだが、「いい勝負をする自信はある」。新しい勲章を手に、今度は世界を取りにいく。(山本 理貴)

サトノレーヴ 父ロードカナロア、母チリエージェ(父サクラバクシンオー)。美浦・堀宣行厩舎所属の牡6歳。北海道日高町・白井牧場の生産。通算12戦8勝。総獲得賞金は3億9846万300円。主な勝ち鞍は函館スプリントS・G3、キーンランドC・G3(ともに24年)。馬主は里見治氏。