◆第55回高松宮記念・G1(3月30日、中京競馬場・芝1200メートル、良) 三度目の正直ならず―。3年連続2着のナムラクレアに、長谷川調教師は「頑張りました」と言葉を振りしぼった後、「うーん、そうですね…」と約20秒間、言葉が出てこなかっ…

◆第55回高松宮記念・G1(3月30日、中京競馬場・芝1200メートル、良)

 三度目の正直ならず―。3年連続2着のナムラクレアに、長谷川調教師は「頑張りました」と言葉を振りしぼった後、「うーん、そうですね…」と約20秒間、言葉が出てこなかった。「目いっぱい挑戦していける状態でした。いい形でしたが、前半ついて行ったぶん、最後まで脚が残っていなかった。期待を裏切って申し訳ないです」と悔しさを押し殺した。

 前2年は2番人気だったが、今年は1番人気。昨年と比べると出負けし、テンの1ハロンは後方から。押して行って中団のひとつ後ろのポジションで脚をためた。直線は前が壁になるシーンもあったが、残り1ハロンで前があくとよく伸び、勝ち馬とは3/4馬身差。ルメールは「すごくいい競馬。直線はモレイラさんをマークして、勝てると思いましたが、勝った馬が止まりませんでした。精いっぱい走ってくれました。しょうがないです」とサバサバと振り返った。

 同一G1での3年連続2着は、ディープボンド(天皇賞・春、21~23年)、クロコスミア(エリザベス女王杯、17~19年)の例がある。9度目のG1挑戦でも頂点には届かなかったが、指揮官は「3着以下は離していますからね」と愛馬をたたえながら、「残り少ないチャンスがあるか分からないですが、厩舎として修正していければ」と前を向いた。(玉木 宏征)