「西武5-7日本ハム」(30日、ベルーナドーム) 想像を超えていくまな弟子の成長速度に、日本ハム・新庄剛志監督もついに笑顔で“降参”した。2打席連続弾を放った野村を、両手で大きなマル印を作ってお出迎え。人さし指でバツ印を作って出迎えた1本…

 「西武5-7日本ハム」(30日、ベルーナドーム)

 想像を超えていくまな弟子の成長速度に、日本ハム・新庄剛志監督もついに笑顔で“降参”した。2打席連続弾を放った野村を、両手で大きなマル印を作ってお出迎え。人さし指でバツ印を作って出迎えた1本目からの心境の変化を「バツして、どうもすいませんでした!っていうぐらいきれいだったね」とうれしそうに明かした。

 野村は初回に左中間への先制適時二塁打、同点の三回に左越えに勝ち越し1号3ラン、そして五回の左越え2ランで自己最多となる1試合6打点の大爆発。その中で、指揮官が最も評価したのは先制打だった。「やっぱり初回に4番が『うわぁ、点とれるかな』っていうところで打つっていうね、あれはうれしかった」と目を細めた。

 昨年11月に開幕4番に指名。一発を狙って打撃を崩すことを懸念し、キャンプ中から二塁打量産を求めてきた。オープン戦1号を放った18日の巨人戦でもバツ印で“ダメ出し”。そんな意識付けはもうなくても大丈夫だ。開幕15試合で設けていた4番の見極め期間も「ホワッと消えていくような打席内容」と早期解除を示唆した。

 同時期に開幕投手に指名した金村もプロ初完封。「当たり過ぎて怖い。だったら全員、名前挙げときゃよかった(笑)」とおどける指揮官が授けた責任感が、選手の成長を促している。野村は「去年は早く1本出したいというのがあったけど、今年は落ち着いてできている」とし「退路がないというか、早めに4番を言ってもらって、やることをしっかりやれた。4番でこういう活躍ができたのも、100%ボスのおかげ」と感謝した。

 球団の開幕3連勝(引き分けを挟まず)は東映時代の1962年以来63年ぶり。新庄監督は「もういいって、そんなん!全然興味ない」と無関心だが、その年は勢いに乗って初の日本一に輝いた。投打の次なる柱に期待する2人が最高の結果を残した3試合。吉兆データと十分過ぎる手応えを得て、頂点を目指す大航海にこぎ出した。

 ◆日本ハム、63年ぶりの開幕3連勝 1980年に開幕2連勝のあと、引き分けをはさんで3連勝したことがあるが、“ストレート”での開幕3連勝は前身の東映フライヤーズ時代の62年に大毎を相手に3タテして以来となる。この時は4月7日の開幕戦を5-4で制したあと、翌8日のダブルヘッダーも4-3、7-1で連勝。その後も勝ち続け、開幕から6連勝を記録した。水原茂監督が率いるチームは勢いに乗りリーグ初優勝、さらに日本シリーズで阪神を破り日本一に輝いている。