◆プロボクシング ▽WBC世界ミニマム級(47・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇王者メルビン・ジェルサエム(判定)同級1位・重岡優大●(30日、愛知県国際展示場) WBC世界ミニマム級タイトルマッチで、前王者で同級1位の重岡優大(ワタ…
◆プロボクシング ▽WBC世界ミニマム級(47・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇王者メルビン・ジェルサエム(判定)同級1位・重岡優大●(30日、愛知県国際展示場)
WBC世界ミニマム級タイトルマッチで、前王者で同級1位の重岡優大(ワタナベ)は、同級王者メルビン・ジェルサエム(フィリピン)に0―3の判定で敗れ、364日ぶりの再戦に挑むも王座返り咲きはならなかった。
重岡優は、1年前の対戦でも苦しんだジェルサエムのノーモーションの「右」に苦しめられた。細かくジャブを突きながら、左をボディー、顔面につないだが、明確なポイントは奪えなかった。8回終了時の公開採点では、2~6ポイント差をつけられた。終盤は逆転を狙い果敢に攻めたが、届かなかった。
昨年3月31日、名古屋国際会議場で行われたWBC王座の2度目の防衛戦でジェルサエムに2度のダウンを奪われ1―2の判定で敗れ、王座陥落。「あの日の悔しさは一日たりとも忘れたことない。相手の顔も忘れたことがない」とリベンジを決意し、「これを乗り越えたらさらに一皮向ける。自分にとって、クリアしなければいけない大きな壁だと思う」との覚悟でリングに上がった。
1月下旬から約2週間、単身でフィリピンに渡り、初めての海外スパーリング合宿を敢行。言葉も通じない環境で身振り手振りを交えてコミュニケーションを取りながら、ボクシングと改めて向き合った。「数年前の僕なら、1人で海外なんて絶対に行きたくないと言っていたと思う。心身ともに得るものが多く、成長した。自分にとって、良い経験になった」と進化を実感。「マジ、もっと強くなる」と涙を見せた敗戦から1年。リベンジは果たせなかったが、費やしてきた日々は、心身ともに重岡優を成長させたはずだ。
弟の前IBF世界ミニマム級王者・重岡銀次朗(ワタナベ)が5月24日にインテックス大阪で王者ペドロ・タドゥラン(フィリピン)とのダイレクトリマッチに挑むことがこの日、発表された。兄の無念は、弟が晴らす。
戦績は重岡優が11戦9勝(5KO)2敗、ジェルサエムが27戦24勝(12KO)3敗。