◇米国女子◇フォード選手権 presented by Wild Horse Pass 3日目(29日)◇ワールウインドGC (アリゾナ州)◇6661yd(パー72)最終18番、フェアウェイからグリーン奥に外れたセカンドは古江彩佳にとって想…

古江彩佳(左)は同組のチャーリー・ハルと伸ばし合って最終日へ

◇米国女子◇フォード選手権 presented by Wild Horse Pass 3日目(29日)◇ワールウインドGC (アリゾナ州)◇6661yd(パー72)

最終18番、フェアウェイからグリーン奥に外れたセカンドは古江彩佳にとって想定の範囲内だったという。ボールはピンを越えて上の段にキャリー。硬いグリーンで跳ねてこぼれても、全く動揺するそぶりがなかった。少し引っ掛け気味のミスショットではあったとした上で「(ちょうどいい距離の)クラブがない、プラスで手前よりは奥かなっていう選択でした」と明かす。

小さい番手を持って手前のバンカーにつかまるようなら、フォローの風が吹く中、ピンに向かってひたすら下り傾斜の寄せを強いられることになる。まずは、しっかりグリーンにキャリーさせることを優先。ミスをしても、奥からのアプローチの方がパーで上がれる確率はグンと上がるとみていた。クリーンにボールを拾ったチッピングできっちりと寄せ、ある意味で狙い通りに締めくくった。

4打差6位から出たムービングサタデーは2番(パー5)でバーディを先行も、3番(パー3)で池につかまった。すぐに2連続バーディでバウンスバック。反発力以上に評価するのは、「(3番を)しっかりワンチップ、ワンパットのボギーで抑えられたことが良かった。池に入ったのは仕方ない。ダボ(ダブルボギー)にしない方が、自分は大事だなと思っていたので」。大きなミスが出ても気持ちを切らさず、最善を尽くせたから、その後にバーディを重ねられた。

ミスを跳ね返す8バーディ

貫録がにじむメンタルコントロールを、再び池につかまった14番でも発揮。フェアウェイから引っかけたセカンドはキャリーが出ず、風にも流されて左の池に転がり落ちた。きつい傾斜地からのアプローチで5mほどのボギーパットを残しながら傷口を広げなかった。

8バーディ、3ボギーの「67」で通算15アンダー。3打差3位に浮上して最終日を迎える。硬い地面でボールがよく転がり、風も吹くコースは「嫌いじゃないゴルフ(スタイル)」と相性の良さも感じるところだ。

米本土での初タイトルへ

2022年「スコットランド女子オープン」、昨年のメジャー「エビアン選手権」とタイトルを重ねてきた中、米本土での優勝は今季成し遂げたい目標のひとつ。「少しは気合を入れないといけないな、と。目の前のことに集中できたら、(結果に)つながってくれると思うので頑張りたい」。いつもフラットに戦う24歳も、ラスト18ホールの伸ばし合いを見据えて力を込めた。(アリゾナ州チャンドラー/亀山泰宏)