◆明治安田J1リーグ▽第7節 柏0―0東京V(29日・三協F柏) 【東京V担当・後藤亮太】敵地・柏戦は0―0で引き分けに終わったが、チーム全体で連動したハイプレスと強度の高い守備を示すなど、今季一番と言ってもいい内容の充実さだった。 その中…
◆明治安田J1リーグ▽第7節 柏0―0東京V(29日・三協F柏)
【東京V担当・後藤亮太】敵地・柏戦は0―0で引き分けに終わったが、チーム全体で連動したハイプレスと強度の高い守備を示すなど、今季一番と言ってもいい内容の充実さだった。
その中でも存在感があったのは、加入後初めてリーグ戦で先発したMF平川怜だ。ボールを持った時のパスや技術の高さなどは本来持ち合わせているものではあったが、この日は「守備で求められることも出来るようになってきている」と振り返ったように、東京V基準とも言える運動量と強度の高い守備も光った。
前線からのプレスではFW木村と連動するような高いポジショニングを取り「出て、戻って、横ずれもあるので運動量はかなり」と、何度もピッチを上下左右に動き回り、総走行距離はボランチでコンビを組んだ斎藤に次いでチーム2位の12・78キロを計測。主将のMF森田が欠場したことで巡ってきたチャンスを生かし、森田とはまた違った良さを見せたことは誰もが認めるところだ。
城福浩監督はダブルボランチの位置を「へそ」と呼び、まさに中心として重要なポジションだと常日頃から口にしている。「へそ」を使いながら攻撃を組み立てることを求めており、昨季16年ぶりのJ1で6位と大躍進を支えたのは森田と斎藤の「へそ」のコンビの働きが大きかったのは言うまでもない。ただ、根幹を担うポジションだからこそ、そこでの激しい競争が生まれることは、チームの底上げのために重要になる。
この日のプレーを城福監督が「彼が今シーズンの初日からどういう思いで合流して、どういう思いでトレーニングをしているかずっと見てきていましたし、このチームが求めるものを本当によく聞きながら、本人の中でかみ砕きながら、取り組んできたので、長い時間出した時に彼らしいプレーを失うことなく、チームのために貢献してくれるだろうということは想像ついたし、今日はまさに彼の失わない技術だけではなく、ボールを奪う、局面の強度のところでも良さがふんだんに出た」と評価したように、高い基準で示したプレーはチームの明るい材料の一つになった。
平川も「求められている基準の厳しさを感じていましたし、そこが出来ないんだったら試合に出られないというラインがあると思うので、そこをクリアするためにトレーニングから意識してきた部分はある。そこは今までボランチをやっていて、あまり追求していなかった感覚だったので、そこは成長につながっていると思う」と言うように、「日本一のトレーニング」を自負するチームだからこそ生まれる若手の成長とチーム内競争の激化。平川が90分間示し続けたプレーを見て、さらにチームとしての成長が期待出来ると感じた。